第2話

「飛騨 あかねちゃん ごめんね

いつも あなたの アカウントで

ハッキングしちゃってて」


 どこの誰かも、わからない女性だけど、セキュリティがガバガバなの。


「さてと 今日も 不倫してる

リーダーの 様子でも おがみますかぁ~」


 いつもの通り、謎の少女赤根衣舞と名乗り、あらゆる通信を傍受しリーダーを、防犯カメラを使って丸裸にしていく。

 今朝まで、一緒に寝ていた ベッドに横になり、瞳からカメラ機能を切り替える。


「最近の お気に入りは

この カフェの ウェイトレスだな」


 ドライブレコーダーに、ハッキングし位置情報と、車から見える範囲の店舗を、確認して店内防犯カメラで、様子を眺めてみる。


「まぁ かわいい!

リーダーが 好きそうな タイプのコだね

シロノアールを 注文したぞ」


 リーダーは、メニュー表を指差すクセがあるから、一発でなにを注文したのか、わかるのよ。


「ウェイトレスには

特に アプローチしなかったな

普通なら モーションかけるのだが」


 1時間ほど、滞在していたが特に、動きはなく喫茶店を出るリーダー。


「この後

なにか あるのかしらね」


 しきりに、腕時計を確認していたのでなにかは、ありそう。

 スマートフォンの、やりとりもしっかり、確認済みなのよ。


「あっ

喫茶店を 出たばかりなのに

今度は ファミレスに 入ったわ」


 あたりを、キョロキョロしてなにかを、警戒しているのかな。


「あきらかに おかしいわ」


 こんな、短時間で喫茶店からファミレスに、入るなんて。

 ここが、いつものところってことなのかしらね。


「あっ

やっぱり 待ち合わせを していたのね」


 あとから、ファミレスに入店した子。

 その子に、手を 振っているわ。


「なるほど

今度は また 別の女か・・・」


 この前、不倫していた子とまた他に、手を出したんだね。


「なんとか 会話を 拾えないかな ??」


 真上に、カメラがないしそもそも 映像専門みたい。

 どうしよう、スマートフォンの電源も、切ってるわ。


「店員さんが そばを 通る時に

わずかに聞こえるわ」


 ファミレスの、店員さんのインカムから音を拾う。


「よし ノイズキャンセルと

店内 BGMの消去・・・成功」


 ほんの数秒、録音して加工してみる。

 そうすると、ちょうどリーダーがしゃべっている。


『その プレゼン………』


 前後の、会話はよくわからない。


「プレゼン・・・

なんだろう」


 まったく、ピンとこない。

 リーダーが、プレゼンなんて謎すぎる。


「リーダーが なにを

こそこそやっているのか

しっかり 突き止めないとね」

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