砂と月
ゆきのともしび
砂と月
ちがう
そこを歩いているひとも
ベンチに座っているひとも
となりでランチを食べているひとも
みんなちがう
歩き方も
好きなものも
お風呂の入り方も
悦びと言われて思い浮かべることも
みんなちがう
それなのにどうして
今日のうつくしい空模様を
あなたに見てほしいと感じ
わたしはスマートフォンを
取り出しているのだろう
あなたと同じ想いを
抱くはずなどないのに
あなたを構成するものは
手のひらからこぼれ落ちる
砂の粒ほどあるのに
わたしはその粒を
ひとつひとつめまいがするほど点検し
ながめていたいと
シャワーを浴びながら欲している
砂の中に
申し訳なさそうに埋もれている
わたしの粒と
共鳴するようなきらめきを
地球はまわり
宇宙は脈々と
呼吸をしている
今日もまた
パジャマ姿で窓にあゆみ寄り
月のあかりをさがしている
砂と月 ゆきのともしび @yukinokodayo
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