第一章:快適な拠点作り〜中身の材料はこいつだ!〜

【悲報】ストックが全て消えました。修正魔なのでちまちま修正しながら投稿していたのですが、いっそのこと直書きします。ご了承下さい。

僕の日頃の呟きや小説情報はTwitterまで→@ta_rikihongan



★★★★

ご飯を食べて後半戦。俺は悩んでいた。


 と言うのも、スライムと一口に言ってもたくさん種類がいるのだ。出入り口からすぐ見つかる特に特徴のないスライム。奴は体当たりしてくるだけであまり危険はない。


 中層近辺になると酸を吐くアシッドスライムや魔法を使うファイアスライムなど種類が増え、下層ともなると隠密して上から攻撃してくるカヴァルドスライムやダークスライムなど、上級者でも命を落としかねない恐ろしいスライムも居るのだ。


 まあ、下層のスライムはベッドに適さないだろう。奴らが落とすスライムゼリーは魔法や魔道具に使うし。そのクセ触り心地は上層の浅瀬のスライムと同じなのだ。下層のスライムを狩るくらいなら浅瀬で無双したほうが早い。


「でもなぁ、ウォータースライムはひんやりしてて気持ち良いんだよなぁ…」


 夏場に狩りに出て、やつが落としたスライムゼリーで涼を取るのは有名だ。と言うか夏場に重装で潜るやつほど必須である。重さはないのにひんやりがずっと続くのだ。使わない手はないだろう。


 閑話休題。


 色々話はそれだが、ウォータースライムだと冬場に地獄を見そうなので、取り敢えず浅瀬のスライムを狩りに行くことにした。浅瀬は子ども連れが多いが気にしない。俺が行く場所には子供連れや探索者は行かないところだからな。


「よし! 母さん、俺ちょっと浅瀬に行ってくるわ!」


 前は急げとアウトドア用の椅子から立ち上がり未だに父と土いじりしている母に声を掛ける。父は何も言わないが母は一言言わないと五月蝿いのだ。


「はーい。気をつけてね〜。あ、何かお土産あったら宜しくね」


 ダンジョンで土産とは一体……。いや、一応色々あるけど浅瀬で取れるもんなんて大体安価で販売されてるのばっかだぞ? 一体母は何を求めてるんだ。


 母の言葉に笑いで誤魔化しながらセーフエリアを出て曲がりくねった道を歩き続け、隠れるようにして出来た道を人に見つからないよう神経を尖らして出る。


 ここがバレてしまうと俺の見つけたセーフエリアが周知されてしまうからな。ニートは大変だ。


「さって、スライムスライム」


 気配を探り人が居ないことを確認した俺は素早く死角から出て歩き出す。向うは浅瀬のスライムが大量に居るモンスターハウスだ。


モンスターハウスとはモンスターが大量に出現するスポットだ。場所によって出現するMONSTERの種類や数が異なる。浅瀬にあるモンスターハウスは一種類のモンスターが湧き、分かっているのがスライム、ゴブリン、コボルトだ。探索者として稼ぐためにわざと入る奴も居るが所詮浅瀬のモンスターハウス、過疎に過疎っているだろう。実に狙い目である。


 因みにスライムは核を壊せば死ぬ。確率でスライムゼリーやら核やらを落とすが換金しても雀の涙だ。浅瀬だから子供も居るし、需要と供給のバランスが崩れているのだろう。


「ま、今の俺にとっては最高だけどね」


 なんせ入れ食い状態なのだ。最高のベッドを作るため、犠牲になってもらおう!


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