第8話 焦燥
男は錯乱の一歩手前であった。
見覚えのある人物。
何故、何故だ。
鼓動が激しく打つ。
夢中で詰所の受話器を上げる。
件の先輩が応答する。
言葉に詰まる。
ミ、ミサイルを、たくさん撃って来る人が…。
俺は子供か。
呼吸がうまくできない。
対応を誤るとどうなるのだろう。
戦争とか…。
じわり、額に汗が滲む。
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