エピローグ 雲の上

今日は母さんが僕のお墓参りに来てくれている。

いつもありがとう。

さっき書いてくれた手紙も読んだよ。


僕の文章は母さんのために書いていたものだけど、ほかの人も読んでいいよ。


そうとわかってたらもう少し書きようがあったなぁ……なんて、またそっちの世界の考え方が出てきちゃった。



そうそう。

 


今、こっそり返事を空に描いたんだ。



早く見てね!

すぐ見ないと雲が流れて消えちゃうから!!



「こら、キヨトー!!」


天使くんが突然目の前に現れた。神出鬼没だな。


「あ、天使くん、なんか用?」


「なんか用、じゃないよ」


「怒ってる?」


「だって、これは、ちょっとやりすぎだよ」


これって、やっぱり、この雲のことかな?


「もっと自然な感じでやらないとさ」


「十分自然じゃんか」


「いや、これは不自然でおかしいって」


真っ青な空のキャンパスに

白色の雲で描いた僕の宝物


写真をそのまんま空に映し出したような

リアルで写実的な雲の形にしてみたよ!

本物の写真みたいでカッコいいでしょう。

ちょっとしたお茶目ないたずら心なんだから大目に見てよね。


「天使くん、一瞬だから許してよ」


だって、こんぐらいやらないと母さんは気付いてくれないからさ。


「もうやっちゃったのはしょうがないけど、次からは気を付けてよね」


天使くんは怒っているけれど、半分笑いながら向こうに去っていった。一応、注意するのも仕事だもんね。

 


僕はこんな感じで楽しくやってるから。

母さんも人生を楽しんでね。



また会えた時に、楽しい話を沢山しよう。

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神さまとの約束 海乃マリー @invisible-world

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