第25話 YES

やっと、母は僕の体調がおかしいわけではないと気付いてくれた。

そして、僕の目線の先を追ってくれた。

僕の目線の先にはテーブルの上のタブレットがある。


そう、それだよ!


「キヨト、この続き見たいの?」


僕は母の手に触れた指先でYESの合図をした。

僕の膝の上にタブレットが再び戻ってきてくれた。画面も開いたままで、さっきの【しせんにゅうりょく】のページのままだ。


僕は目線をタブレットから外さないで、また指先でトントンと合図した。


『見・て』


ユキに送ったように、テレパシーもやってみた。

強く、シンプルに、ゆっくりとだ。



その時、奇跡が起きた。



「これ、キヨトにもできるんじゃない?」



イエス!!!



さすが僕の母さんだ。

僕の思いが通じたぞ。

僕は指先でまたYESの合図をした。


「キヨト、やってみたいの?」


YESの合図。


「今度の検診の時に先生に相談してみようか」


YESの合図。


わぁーーーい。

嬉しい!!!


僕の計画にまた一歩近付いたぞ。


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