ツェントラールの魔女――小麦粉大襲撃

猫町大五

第0話

『良いかい。僕は君にとってのファム・ファタールで、君は僕にとってのオム・ファタールなんだ。良いかい?分かったらさっさとこの書類にサインするんだよ、ほら』


 ――久々に、相棒との馴れ初めが夢に出た。いつ見ても酷い台詞だが、多分惚れた弱みという奴だろう、決まって目覚めは良い。

 やあどうも。俺の名前は――ロベルト、ってことにしておこう。役職は、この物語の語り手。何処にでも居る大柄なドイツ系アメリカ人男性。もうドイツ人でいいや。

 最初に断っておくけれど、これは物語というには雑すぎるし、小説と言うには面白くなさ過ぎる。なんていっても俺に文才って奴がなさ過ぎるからね。だから精々記録かメモ書きか、そのくらいの気楽さで呼んでくれ。よろしく。

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ツェントラールの魔女――小麦粉大襲撃 猫町大五 @zack0913

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