第25話

「わあ」


 ツリーハウスからの眺めは何度見ても格別である。私とリークは向かい合うように座り、その間にサンドイッチの入ったケースと水の入った水筒を置いた。


「ではいただきます」

「いただきます」


 最初に野菜のサンドイッチをぱくっと頂く。野菜の水分と塩気がパンに染みていて、さわやかな味だ。口の中の渇きが癒されていく。


「うん、美味しい」

「これも食べるか?」


 リークが差しだしたのはチーズだ。これを上に乗せるか挟むかして一緒に食べると更に塩気が増して美味しいらしいというので、試してみる事にした。


「うん…うん、美味しい」


 確かに塩気が増している。それに濃厚さも増した。

 次は私が作った卵サンド。卵とマヨネーズの濃厚な味と酸味が効いていて我ながらこれも美味しい。


「リーク、どう?」

「む…美味しい。卵の硬さもマヨネーズも丁度良い」

「そ、そう?」

「ああ、とても美味しいぞ」


 リークが満面の笑みを浮かべている。その笑みを見た私の心臓がどくどくと鼓動が早まっていく。


(なんか、恥ずかしい…)


 私はそんな恥ずかしさを紛らわす為に、卵サンドに一気にかぶりつく。むぐむぐと咀嚼すればするほど卵とパンの甘味が出てくる。


(むむ…)


 窓から入って来るそよ風にあたると、次第に熱くなっていた顔も冷めていった。

 そしていよいよ照り焼きサンド。これまで食べたサンドイッチよりも分厚くて、ボリューミーな仕上がりになっている。

 

「どうかな…」


 一口かじってみる。すると肉厚でしっかりかつぷりぷりとした食感に、醤油と砂糖の照り焼きソースが相まって非常においしい!


「おいしい!」


 後宮でもこんなお肉料理は、食べた事が無いかもしれない。いや、照り焼き系というなら何度かあるが、それでもここまで美味しい照り焼きは初めてだ。

 そう言えば鳥肉料理は、大体ソテーや煮込みにされていた記憶があるのを思い出した。キジ肉も何度か食べたがここまで美味しいとは…


「すごい、美味しい…」

「そうか」


 リークも目を見張りながら、照り焼きサンドにかぶりつく。


「うん、これはうまい。何個でもいけそうだ」

「確かに!」


 照り焼きサンドを食べながら、窓の景色を眺める。空は快晴。清々しい青い空の色が目に入って来る。


(こういうランチも良いな)


 照り焼きサンドも野菜サンドも卵サンドも、何個でも食べたくなる美味しさだった。


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