第12話 ヤバイ吸血鬼

『では、奴隷紋を刻みます』

そう男は言ってきた。


『奴隷紋?』

知らない用語がでてきた。


『ご存じでは無いですか?奴隷紋とは奴隷に刻む呪いです。主人の命令一つで命令がやむまで激痛が全身を覆う呪いがかかってます。これにより奴隷は主人のことを逆らいません』


(なんて、ひどい呪いだ)

『いや、そんな呪いのをかける必要はないです』


『そ、そうですか。ではわかりました』

男はとても不思議そうに僕を見て言った。


『あと、それとフード付きコートを一着くれ』


『はあ、わかりました』





……奴隷市場の外……


イリナはフードを被ったまま何も言わずに僕の後ろをついてくる。何もない、イリナを買ってなかった時みたいだ。



……宿屋……


どうやらユキさんもユナさんもいない出かけているのだろう。


(ギギギギギ)

僕は部屋の扉を開けて中に入った。

何故かイリナが入ってこない。

『イリナほら入って』

僕が言うとイリナは部屋に入ってくれた。


(ギギギギギギ)

僕は扉を閉めた、



『なんで、私を買ったんですか?それになんで馬車から落ちたあの時私を助けたんですか?』

急にイリナが不気味な感じで話かけてきた。

『え?』

『その優しさがなかったら。さ、目つけられることなかったのに……』


さっきまで目を合わせてなかったイリナが急に不気味な笑顔で言った、

『この私にさ♡。私ね本当は奴隷なんかなる必要なかったの。だって、シドみたいに奴隷で、吸血鬼のどうしようもないゴミを助ける人を探してたの♡。だから私、シドくんのこと好きになっちゃた♡。これから末永くよろしくね♡シド♡』



『え』

(なんかやばい)





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