第8話 市長の娘ファミ

 勇者カリクとの決闘の後日俺とノノッチは市長の家にいた。ファミの部屋でお茶会だ。先の決闘を労い俺達は会話が弾んだ。


「あの後、エレンの頭こづいたんだよね!」


「デコピンだったよね。」


 ノノッチとファミはキャッキャッしてる。俺達は壮大なデコピンの為に決闘させられたのか。そう思うと、黄昏てくるな。オッサンのいけないとこ。


「ところで女神ノノッチってこの世界ではどういうやつなんだ?」


「ば!! 聞かないでよ!」


 慌てるノノッチ。ファミは答える。


「そうですね。言うなれば、貧乏神ですね。」


「え?」


「あーーーー!!!!。隠してたのに。隠してたのにーーーー!!!!。」


 やけに狼狽し始めるノノッチ。ファミは続ける。


「小さな少女の神。イタズラな神。ツンデレ、メスガキ。ロリ。この神を信仰すると何故かお金が無くなる。故に財産喪失の神。ただ、性欲は強くなるそうなので子宝の神とも言われます。」


「あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーー!!!!やーーめーーろーー!!!!」


 頭を抱えて床に倒れ込んでしまうノノッチ。そうか、最悪な神様なんだな、あの転生の時の交渉は引っ掛けてきやがったのか。おっさんは言葉にせず考え込むのです。


「ちょっとノノッチさん。向こうで話し合おうか?」


「い゛ーーーーや゛ーーーー!!!! 私悪くないもーーーーんーーーー!!!!」


 市長の家の広いファミの部屋の片隅にノノッチを追い込む俺ダイキ。左腕でロックヘッドをかましつつ、ほぼ脅すような顔で話しかける俺。まあ泣きたいのは俺の方だが。


「で、女神さんよお。俺の借金はどうなってんだ??」


「2000万エンゴールドだよ?」


「だーかーらー。それお前の詐欺じゃねえか!! 帳消しにしろよ! 今すぐ。」


「やだ。」


「あ?」


 今幼女の姿じゃないし、首を片腕で締めてみる。少女は可愛くない声でうめき出す。


「ゔ。ゔゔゔ。だって! だって!契約しちゃったし。」


「だーかーらー。それ、お前の犯罪だろ? 俺に非がないだろ? なんでお前の為に俺が借金せねばならんのだ?」


「ゔゔゔ。犯罪じゃないです。犯罪じゃないです。神は絶対で、この世界にはそんな法は無いから犯罪じゃ無いです。」


「じゃあ、俺が今からお前の頭の中という異世界に法律作ってやる!! おりゃーーーー!!」


「ぐぎよがわわ!!」


 俺とノノッチは暴れ出すと。ファミは微笑ましく見ていた。優雅にミルクティーを飲みながら。

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