現役女子高生の私が異世界にエルフとして転生する。

@kusidango

プロローグ 日常の終わり

 私は、県内で偏差値が良くも悪くもない高校に通っている、極々平凡な女子高生である。

 朝に弱くて気だるさが残るものの、全日制の高校なので、重い腰を上げいつもと同じ電車に乗り、大勢の社畜と揺られながら学校に向かていって30分くらいで学校についた。


「おはよう!」

「相変わらず朝でもテンション高いね」


 元気よく挨拶してくるテンションが高い奴は、中学からの幼馴染である遥で、元気に満ち溢れている。私は、昨日の夜にインターネットの友達とゲームをやりながらボイスチャットで、夜更かしと日頃の生活リズムが祟ったのか頭も痛ければテンションも低いのでできる限り騒がないでほしい。

 そうこうしているうちに担任の先生が入ってきてホームルームが始まる。


「お前らホームルーム始めるぞー」


 騒がしい教室が静まり立ち上げっていた生徒が席についていく。

 ホームルームが始まると出欠確認がはじまりそのあとに授業日程などを話していたが私は、一時間目に備えて仮眠を取ろうとしていたので詳しい内容は覚えていない。

 そろそろ一限目が始まるので準備しようとカバンの中を確認すると家を早く出てきたせいか忘れ物をした。


「遥の教科書一緒に見せてくれない?」

「うーん、全然良いんだけど次からはちゃんと確認してね」

「ありがとう」


 一限目がはじまり隣の席の遥に教科書を見せてもらいながら受けていると忘れ物をしたせいか先生によくあてられたけど、幸なことに授業中によく寝てしまっているけど成績のほうは上から数えたほうが早いので問題なかった。

 眠気を抑えながら必死に聞いてるフリをして一限目は終わった。


「眠い・・・」


 授業がおわり気が緩んだのか言葉が漏れてしまう。

 次の授業は、体育が二時間連続なのを知って絶望したけどとりあえず準備のために女子更衣室に向かい着替え始めていた。

 着替えが終わり体育館に向かっていく。


「こっちこっち」

「頑張れ!」


 声を掛け合ったり応援したりと人それぞれちゃんと授業を受けているけど私はウトウトしながら観戦をしていた。

 ピーッと笛の合図が鳴り前半の人と交代をしていく。


「はぁ…疲れた」


 交代が終わりひとしきり走った後に息が切れバテていた。

 幼い頃から体力には自信が無くて、小学校や中学校の持久走でも早々にリタイアして座っていたけれど、高校生になってから少し体力がついたかもしれない。


「沙耶、シャトルランの記録ってどのくらい?」

「48回くらいかな」


 言い忘れていたけど私の名前は、近藤沙耶で両親から名ずけの理由は女の子らしい名前を付けたかったからで特にこれといった理由も無いらしい。

 シャトルラン終わりなのに息を切らさずいつもの様に元気な遥を見て若干引きながらも着替えてから教室に向かって行く。


「お前ら帰りのホームルーム始めるぞー」


 先生が呼びかけるとうるさかった男子たちは静かになり帰りのホームルームが始まる。

 朝のホームルームよりも早く終わり既に帰る用意をしていた私はそそくさと下駄箱へ向かった。


「やっと帰れる・・・」


 靴を履き帰路に着き歩道を歩いているとタイヤが擦れるような音が聞こえ目の前から大型の暴走トラックが突っ込んできた。


「終わった」


 そう、一言だけ言い意識が朦朧し灼熱に居るような熱さの中で私は自分の折れ曲がった腕を見ながら享年17歳という若さで死んでしまった。

  ︎︎気がつくと私は白い空間に居て不思議な感覚に包まれていることに気がついた。


『親孝行したかったな・・・』

『ホッホッホお主、後悔しておるじゃろ?』


 誰だか分からないけど白い髭を生やした神様みたいなお爺さんが目の前に居る。

  ︎︎生きている時に読んだ異世界モノのラノベと同じ展開だからもしかして転生とかできるのかな。


『ライトノベルが何なのかは知らないが遥か昔にお主の先祖が儂の事を助けてくれたのでな…何か力を与えて転生されことが出来るのだがどうするんじゃ?』


 前世の両親は心配だけど私は私で第二の人生を楽しみ親孝行や冒険をして楽しみたいと思っているから転生するか・・・


『よし、決まりじゃな。幸せなセカンドライフを歩むことを祈っておる!』


 体が光り始めたと同時に大きな崖の下で倒れていることに気がついた。

水溜まりがあったので自分の姿を見ると、耳が尖っていてボロいワンピースを来ており髪は銀髪で目は綺麗なサファイア色をしていた。


「可愛い・・・」


自分で言うのも変だけどつい声が漏れてしまうほどに美少女だった。

神様は力を与えるって言ってたけどどんな力なんだろう。


「スキル:鑑定を使いますか?」


頭の中に無感情な女性の声が鳴り響いてくる。

鑑定って物の情報を見たりする能力で自分の情報とかも見れたりするのかな。


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ステータス

名前:イリス・ウェスト

種族:ハーフエルフ

性別:女

年齢:17

称号:転生者、忌み子

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「私ってエルフに転生したんだ・・・忌み子ってなんの事なんだろう?」


自分の情報を見て驚いていると後ろから足音が聞こえ振り返るとそこには男3人組が居た。

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