赤き力 Cパート

さんごろ しずしょうがっこう けんしつ


つだっていただいてみません、きよしげさん」


 あたまげてれいったわたなべせんせいに、きよしげかえす。


「いいえ。それよりかえちゅうで、ロボットをけてもどってかった」


 ようほくはあのあと、スセリがんでわたなべせんせいと、そのにやってきよしげによってけんしつはこまれ、いまいたる。


じょうせんせいふたともかぜまるとかやつけられたそうです。ようはそのときあたまったそうです」


 わたなべせんせいたい耀ようたちからそういたので、じょうせんせいにそうせつめいをした。


ところようですが、いちおうりょうしんむかえにいただきましょうか。ほくくんあしねつもってますし、ようくんねんためびょういんてもらったほうい。わたなべせんせいりょうしんれんらくねがますか?」


 じょうせんせいにそうわれ、わたなべせんせいへんかえす。


かりました。では、ふたことよろしくおねがいします」


 そしてわたなべせんせいは、しょくいんしつへとかってく。


  ガラガラガラ


じょうせんせいでしたっけ? すみませんが、わたしすこ貴方あなたはなしをしたいのですが」


 わたなべせんせいけんしつったあときよしげがそううとじょうせんせいは、おもかえす。


「それはかまいませんが、まずしょうかいねがますか? わたなべせんせいいみたいですが?」

「そうでした、わたしまえいばら きよしげねんせいたつ ろうしんせきえば、かいしていただけますか?」

「はい。それはかりましたけど、がっこうに?」

「えっと…… それについては、そとはなしませんか?」


 きよしげはそういながら、つくえうえったメモちょうとボールペンを使つかい、こといてじょうせんせいせる。


ようくんほくくんたりきりにしてげませんか? ゆうあとせつめいしますので”


 そのせられたじょうせんせいは、すこかんがえてからへんかえす。


「……分かりました」


 そしてカーテンでられたベッドでる、ようほくかってう。


たりともせんせいすこきょうしつそとで、きゃくさまはなしてるわね」

「はい……」


 ベッドでほくが、そうちからへんかえすと、きよしげじょうせんせいうながす。


「それじゃあ、じょうせんせい

「はい」


 じょうせんせいへんをすると、きよしげともけんしつった。


  ガラガラガラ

   ガラガラガラ


 きよしげじょうせんせいけんしつ室をると、まえきょうしつはいり、じょうせんせいきよしげく。


きよしげさん、どもだけにしたせつめいねがいできますか?」

わたしかれいなんですが、わたしかれけたときほくくんようくんしんぱいしてまして。そのときようがちょっとへんだったんで、ふたあいだなにったんじゃないかとおもいまして。それと此処ここほうが、ネズミはやすいでしょうし」

「ネズミですか?」



 ★★★★



どうこく しずしょうがっこう けんしつ


ようくんいまだいじょう?」


 きよしげじょうせんせいけんしつってからしばらけんしつのベッドにあおけにほくが、となのベッドでひたいつめたいれタオルをせ、おなたいせいようにそうった。


「ん、あぁ……」


 ようがそうかえしたので、ほくもうわけなさそうにう。


「ボクのせいで、ゴメン……」

「おまえ、そんなことにしてたのかよ?」


 れタオルをあたまからはずし、ベッドのさくけたようは、そうってじょうはんしんこす。

 しかしじゃっかんフラフラしており、あぶなっかしい。


ようくんてないとダメだよ」


 ほくようほういてそううと、ようかえす。


「わぁてるよ…… おまえほうだいじょうかよ?」

たしまえは、ちょくちょくってたがするけど……」


 ほくはそういながら、むかしことおもしていた。

 がんれとわれたいがために、ようたい耀よういてまわり、つぎわるって、おおきしていたちいさいころおく


おこったボクってこわいのかなぁ?」


 そうったほくに、ようう。


「オレにくなよ、ことねぇし。……やっぱダメだ、ねよう」


 ようわると、ゆっくりとからだをベッドにたおし、さいる。


こといかぁ…… そうえばケンカしたことるの、おねえちゃんぐらいかも?)


 ほくはそんなことかんがえながら、けんしつてんじょうながめていた。



 ★★★★



どうこく しずしょうがっこう けんしつまえきょうしつ


たしかにつかまりましたね、ネズミ……」


 きよしげと、そうったじょうせんせいまえには、うつむいたたい耀ようかおるみおやすときめぐみ


たい耀ようくんかおるくんちゃんはるとおもってましたが、まさがみおくんたちるとは……」


 そうきよしげうと、ときかえす。


「あら、ともだちしんぱいしちゃいけない?」

「そうもんだいじゃありません。くみはともかく、いちくみはらせんせいきょうしつはずです。それなのに如何どうして此処ここに」


 怒るじょうせんせいに、ときはオドオドしたりをしてう。


「トイレでけたら、みおたちしているのをてつい……」

「ついって貴女あなたねぇ…… それにしてもあまいけくん春日かすがさんがメンバーにるのはめずらしいわね?」


 そうってがるじょうせんせいに、たい耀ようおしえる。


ぶんかんげいかいげきときなかったんだとおもいます。くわしくはかないでしいですけど」

「ごめんなさいせんせい……」


 あやまめぐみつづけて、みおあやまる。


「ごめんなさい……」

「それじゃぁさいよしざわくんか、きみなんしたんだい?」


 きよしげにそうわれ、やすすこなやんでからしゃべす。


「オレは…… ようたちにケガをさせたのがオレじゃないかとおもって、あやまりにたんだよ。オレのまえてんあられて、いたらきょうしつちかくでねむってて、てんのロボットがたってうからもしかしたらって……」

やすくんふたいがわるいのは、かぜまるてきのせいで、てんまるかんけいりません」


 かおるにそうわれ、やすはホッとしてう。


かった……」

「でもいまはなし、クラスみんなにはわないほうい。はなしをかぎり、グラウンドでロボットにされてたたかっていたのはきみちがいないだろうから。みんないかい?」


 そうきよしげうと、やすがいうなずき、かおるはなしをつづける。


よしざわくんじつはですね、ねんせいひとじちられていたせいで、せんとうていないんです」

ぼくリュウジャマルたちたすけられて、げていたんだけどな。こんらんしてたし、ぼくだまってればバレないだろう。ぼくゆうじょうかんしゃしろよやす?」

「とことなので、みおくんたちいですね」


 たい耀ようかおるにそうわれ、みおめぐみときへんをする。


「……うん」

かった」

「OK」


 そしてすうびょうあとたい耀ようがおやすう。


「とことで。そのことバラされたくなければ、ようみおうらやましがってないで、ぶんおんなこえけるんだな」


 たい耀ようことやすおどろき、 みおたい耀ようく。


「どうこと?」

そうはじまるまえに、わたなべせんせいからやすみおあおったゆうおしえてもらったんだ、もしやすかんあらわれなかったときのためにってさ」

「だから、どうう……」


 みおさいたい耀ようこうとするが、かおるくちりょうさえられる。


「だから、みおくんいててもめなかったんですね。ですがそれを、おんなにモテるたい耀ようくんうのは、あぶらなのでは?」


 かおるがそうくと、たい耀ようしんまんまんかえす。


せっとくりょくばつぐんだろ。みおようだろうし、ほくはともかくかおるはそんなかんじじゃし」

たい耀よう。モテるからって調ちょうに……――」


 やすたい耀ようにそうもんけると、たい耀ようバカにしたようことさえぎう。


「くやしかったらモテるりょくでもしたらどうだ、おとこらしくない。おんなはなけるなんて、しゃべるのがにがみおでもるんだぞ?」


 あおられたやすは、おこたい耀ようかえす。


「うっせぇな、かってるよ!」


 そうったやすが、きょうしつこうとしたので、じょうせんせいことめる。

 

何所どこくの?」

きょうしつもどります!」


 やすみんなけたまま、すこおこりっぽくそうかえし、やす姿すがたえなくなると、じょうせんせいおとこたちく。


だいじょうなの?」

「たぶんもんだいいとおもいます、はい」


 かおるはそうこたえながら、みおくちからりょうはなす。


「ねぇ、どうこと? ぼくよりおんなはなしてるよね?」


 みおがそうしつもんをすると、きよしげこたえる。


みおくんっているのは、やすくんことだね。ぶんおもっている姿すがたを、あいているわけではいとことかな」

はなことほうもんだいじゃいの。あまいけくんが、ふしさんや春日かすがさんとなかこともんだいなのよ。おとこみんな貴方あなたたちみたいに、わいおんななかわけじゃい」


 じょうせんせいがそうつづけると、みおはそのだれかにく。


「それって、よろこんでいんだよね?」

「おまえなぁ……」


 そうってあきれるたい耀ように、ときつづける。


あきらめなさいよたい耀よう貴方あなたぶんいちばん、このことってるでしょ?」

「まぁおとことしては、ほこっても良いだろう」


 きよしげもそうことつづけ、こんめぐみかおはなす。


「それときみたちは、おとこからて、はなしがうらやましいおんなわけだ。ぶんことわいいと、しんってもかまわない」

「そんなこと……」


 めぐみしんなさそうにそうかえすと、めぐみう。


わたしめぐみちゃんはたかくてれいだとおもうけど?」

「うん」


  みおしきにそうってうなずき、さんどうしたためきよしげはクスッとわらみおう。


みおくんがいうねぇ」


 きよしげことき、みおれてうつむき、めぐみずかしくてかおじゃっかんあからめた。

 そんなたりかくにんしたときう。


「あら、みおいっちょうまえれるのね? めぐみもそうだけど、ひとことえないわよ。そうじゃなきゃ、テストのことったからってなかように、よしざわくんがケンカけるはずないし」

さんのだんにんがイマイチなのは、ようくんたちてるがしない、とゆうだいたいですからね……」


 さらかおるがそうつづけると、ずかしそうに、かおるかえす。


かおるくん、からかわないでよ」

「いいえ、ほんとうことですよ?」


 そうかおるさらかえすと、じょうせんせいめぐみたずねる。


くろさわさん、春日かすがさん、ちょっとせんせいちゅうこくいてくれる?」

「「はい?」」


 ふたじょうせんせいほうくと、じょうせんせいすこかんがえてからはなす。


ふしさんはかいしてるみたいだけど、おとこわいいとわれたら、調ちょうらないていれてほこりなさい。いま如何どうらないけど、貴女あなたたちみたいなは、けんそんぎるとぶんこのさきおんなからきらわれるわよ」

「へぇ…… わたしはこうときじょせいはではいとさとすモノとばかり……」


 きよしげことに、じょうせんせいもんう。


どもどうならそれでかまいませんが、おんなどうではそれはせいりつしないんですよ」

「それはしんれいだからの、じつたいけんですか?」


 からかうようにそうかえきよしげに、じょうせんせいまよいなくかえす。


「はい。いまことこととしてっておきます」


 それをいて、きよしげはクスクスわらう。


だい大人おとなが、どもまえずかしげもなくそうえるとは、けんしつせんせいにしておくのがしい」

「コレでたりの、さきこるであろうもんだいつぶせたのなら、やすいモノでしょう? 春日かすがさんはからだよわいし、くろさわさんのいえぞんですよね」


 かえしたじょうせんせいに、きよしげすこしんけんおもちでかえす。


「……ほど、そうことですか。貴女あなたとはもうすこはなしてみたい、こんデートでもしませんか?」

此処ここがっこうです。こうちょうせんせいけいで、くろさわさんの祖母ばあさまけますよ?」

「これはしつれい。ソレだけはごかんべんを」


 そうったきよしげは、こんたずねる。


ちゃん。ちょっとお祖母ばあさまって、にちようしてもらえないかな?」

ぶんだいじょうだとはおもうけど、なに使つかうんですか?」

はなしをすれば、ろうしんぱいするだろうから、ようねたまいしょかくかな? きみたちからろうこときたいし、このめんじゃ流石さすがに、ようくんいえほくくんいえめいわくだしね」


 きよしげはそこまでうと、こんじょうせんせいけてう。


「とことで、じょうせんせいのぞいていただけるとうれしいんですが?」


 そうわれたじょうせんせいは、きよしげたずねる。


「おごとほうやすんでへいなんですか?」

ずかしいはなし、こちらにたばかりで閑古鳥かんこどりいてまして。にちようやくはいっていんですよ」


 きよしげかしそうに、じょうせんせいにそうせつめいをした。



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