何処に出掛ける?

 するときみたけごえかえす。


「どうこと?」

「おまえわたすのわすれてた、わたしちょくせつやるとちょっともんだいるんでな。せっかくやってたんだ、おまえおごってやってもばちたらんだろう」


 ちちおやことすこかんがえ、かいしたきみたけうなずき言う。


かった」


 きみたけへんいたあずささいい、ようたちほうなおると、ほくちかかたかるたたく。


きみむすことたのむよ、たい耀ようくんも」


 そしてほくたい耀ようにそうおねがいをした。


「はい……」

かりました」


 ふたがそうへんかえすと、あずさはレストランにくちひげやした4、50だいぐらいの、くまようすこひくだんせいかってはなける。


たせてもうわけない、ふじわらさん」


 はなけられた、ふじわらばれたおとこがると、おりどもたちかってう。


「それじゃ、わたしあずさはなしがるからってるよ。おとこどもっといで」


 そうっておりがレストランからくと、つづけてあずさふじわらばれただんせいもレストランからった。


「さて、わたしたちしょくにしようか。それとひさりだな、またしばらないうちにじんって」


 せきち、むすめほういてそうったちちおやに、がおろうとするが、ふっとわれかえきみたけほうける。

 ぶんけられたきみたけは、あることう。


「……! ゴメン、ぼ……おれことにしないで」


 きみたけがそううと、きみたけわきけ、ちちおやもとけてく。


ひさしぶりパパ。てこととなりにるのはママね、かみってるからわからなかったわ」


 うれしそうにがそううと、ははおやかってう。


「あらひどいじゃないともだちとは上手うまくやってる?」


 りょうしんあいのないかいをしているいっぽうで、ようはレストランをまわしていた。


ぎょうわるいぞ、よう……」


 そうたい耀ようちゅうされた、ようもうわけなさそうにたい耀ようことかえす。


「わりい、でもなんおれたちがいひとねぇんだ」

「それはおりさんが、2かんほどこのレストランをったからだよ。そとりのふだていたはずだよ?」


 たい耀ようちちおやが、ようほういてそうせつめいすると、ようれながらう。


きんちょうしてて、てなかった……」

たしかにきんちょうするよね。ボクがいしょくってったら、きゅうりょうのトンカツさんとかだしね」


 ほくようにそううと、たい耀ようちちおやようほくおしえる。


「そんなにきんちょうしなくていさ、このしょくかいしんぼくかいなんだし。ほらふだせきいて」



 ★★★★



【5ふん とうきょうステーションホテルのいっしつ


「へぇ、どもやくらせて、ぶんでチェックインまでさせたのかい。そのようだと、チェックアウトまでほんにんにさせるだね」


 そうったおりるのは、きみたけでんやくった

 おりはベッドにこしけ、あずさたちたりったままはなしをしている。


大人おとなって、ホテルやりょかんやくひとないとこまりますしね」


 あずさことに、おりあきれてう。


「だからって、アンタのはやりすぎだよ」

ひとでの宿しゅくはくれんしゅうにもるし、わったたいけんをしたほうが、けいけんるとおもったんですが……」


 そうったあずさに、おりさいあきれてかえす。


あきれてあたまいたってたよ。そうことおとこともだちいえとかに、たのんでやるモンだけどねぇ……」


 おりことに、ふじわらばれたおとこつづける。


「ですがホテルのやくことは、かいしゃれるかいわたしむすためしてみようか……」


 そういながらすこかんがむ、ふじわらばれたおとこおりう。


「まったく。ひとことえないが、アンタむすろうさっするよ。で、アンタはなにものだい?

わたしがそんなにえらい、えいたいにんげんいたいとたのんだから、えいたいにんげんなのはちがいないんだろうけど」


 おりがそううと、あずさおりふじわらばれたおとこしょうかいはじめる。


「そうでした、ふじわらさんもしょうかいおくれてもうわけない。此方こちらりくじょうえいたいとうりくふじわら しんげんさん。此方こちらくろさわグループかいちょうくろさわ おりさんです」


 あずさしょうかいされたおりがり、おりしんげんあくしゅわす。


如何どういだい?」


 おりしんげんにそうたずねると、しんげんすこずかしそうにこたえる。


むすたちどうきゅうせいでして」

「そうことなので、すこってってもらったんです。そこそこえらえいたいにんげんいたいなんて、何所どここくぞくたたかうつもりです?」


 じょうだんはんぶんにそうあずさに、おりかえす。


わすだいしょうに、まごともだちで、わんぱくやつしょうかいしろとったアンタのえたじょうだんじゃないね。……とうか、そうことふじわらさんのむすさんにたのめばいじゃないか。そのからだよわいのかい?」


 おりにそうかえされたあずさは、すこにがかおをしてう。


「いいえ、じんくんげんです…… ずかしいはなし、ちょっと此方こちらじょうりまして」



 ★★★★



やく40ぷん とうきょうステーションホテル エントランス】


「へぇ、お祖母ばあさんにおとこらしいことめられてるんだ」


 ほくことに、きみたけごんうなずく。

 どもたちにんは、ちゅうしょくわったあと、ホテルのエントランスではなしをしていた。


 さいしょたい耀ようとはべつこうどうしようとかんがえていたようほくだったが、それをしていたたい耀ようちちおやに、にんこうどうするよううながされ、たい耀ようもそれにさんせいした。

 さらちちおやに、ではなくエントランスでこれからのことはなようわれ、いまいたる。

 ちなみにエントランスにはようたちがいに、すうじゅうめいきゃくり、そのうちすうめいがいこくじん

 ようはそのひとたちり、チラチラと姿すがたかくにん

 それをたい耀ようおこられ、大人おとなきゃくほうも、ちがいなどもしゅうだんって、チラチラようたち姿すがたかくにんしていた。


「へぇ、おとこでそうことるんだ」


 がそうわると、きみたけう。


もともとからだよわいのもるけど、おれしんからだきたえたいんだ……」

「で、からだじょうそうなおれに、からだきたえるほうほうきたいと」


 ようがそううと、きみたけすこちからなくへんかえす。


めんかって、お祖母ばあちゃんにはんろんないし。こっそりやってるきんトレはこういし。」


 きみたけことほくう。


きんにくより、たいりょくけたがたいんじゃない?」

たしかに…… みおとかは、ちからくてうんどうはしないけど、ドッチボールは上手うまげるし、えんそくいっしょはふつうにあるくからな」


 たい耀ようがそううと、きみたけたい耀ようたずねる。


だれ、それ?」

「ボクどうきゅうせいねんせいぐらいのおとこなんだけど、たいいくのサッカーとかバスケはてるだけなんだよね。ちはかるんだけど……」


 そうこたえたほくに、きみたけみおきょうち、みおことこうとはなそうとしたしゅんかん

 ホテルにはいってた、ジーパンとあついろながそでYシャツ姿すがたの、ややショートヘアのしょうねんり、きみたけはなける。


「よっ、きみたけ。オレのとおさんんない?」


 そうわれたきみたけは、さらにホテルにはいってたもうひとの、みどりはんしろながそでざい おさむようかみがたしょうねんて、こついやそうなかおをするが、はなけてほうしょうねんけ、つうかおう。


きみとおさんなら、おれちちおやいっしょだよふじわらくんいまごとはなちゅうみたいだし、いにってもぶんってくれないとおもう」


 それをいたふじわらしょうねんは、ざんねんそうなかおをすると、ようたちかってはなける。


「おまえたちきみたけともだちか?」

「このたちは、ちちおやいのおまごさんとそのともだち


 きみたけふじわらしょうねんにそうせつめいすると、ふじわらしょうねんすこかんがようたちう。


「おまえたち、もしかったらおれたちとこれからどっかあそびにかない。どうせヒマだろ? そうそうおれまえふじわら じん、よろしく」


 じんがそううと、となりにしょうねんようたちう。


わるい。コイツ、ひとごうかんがえなくてさ」

わるかったな」


 じんしょうねんかえすと、しょうねんしょうかいはじめる。


ぼくしま しゅうたまにはバカとつるんでるもんだ、こんなわいいいえたんだから」


 しゅうがそういながらちかいたためようしゅうせっきんさえぎかたちまえた。

 ほくようほどではないが、ちかいており、たい耀ようしゅうことかるにらんでいる。


(なるほど…… このへのちょっかいはらいか)


 そうかんがえているしゅうに、じんすこおこってう。


だれがバカだ、このかっこうけ」

ほんとうことだろ。それで、これから何処どこくんだ?」

「ちょっとて、それはいまからかんがえる」


 しょを、アレコレかんがはじめたじん他所よそに、しゅうようたちたずねる。


「こんなホテルにるんだから、そこそこづかいはもってるだろう。これからしん宿じゅくアルタにでもかないか?」

「アルタってたしか、わらっていいとものさいしょる?」


 がそうたずねると、しゅうう。


「そう、それ。どうせくなら、テレビでことところったほういだろ」

「おい、しゅう!」


 じんしゅうもんうと、しゅうはソレをながし、ようたちがおはなしをつづける。


じつじんははおや、フリーアナウンサーでさ。もしかしたらえるかも……――」


 そこまでけたしゅうくちを、じんあわててふさぐ。


「おまえわなくてことをベラベラと!」


 しかししゅうじんほどき、こんじんかってう。


「どうせあといにだったんだろ? だったらみんなってももんだいいだろ」

かあさんのめいわくを……――」


 おこってこえげたじんに、フロントカウンターのボーイが、ことさえぎってちゅうをする。


きゃくさまたいへんもうわけりませんが、にはほかきゃくさまもいらっしゃいますので」

「すみません……」


 じんがフロントカウンターのボーイにあやまると、きみたけようたちていあんをする。


いちレストランにもどろう、りょうしんにもせつめいしないといけないし」


 そうわったきみたけは、しゅうにらけていた。



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