第3話 ぽんこつ新人正社員と、怒れる私。

前話から1週間、時間が空いてしまった。

その間、先日わたしが「ぽんこつ認定」した

新卒採用の正社員・Aくんを

上司たちが手取り足取り教えている様子を横目に見ながら、

その上司たちや、Aくんが取りこぼした仕事を

コツコツと片付け続けていた。

こころの中でふつふつと怒りがこみ上げ続けていた。


今までのわたしであれば、

怒りを覚えた時点で

上司に「忠告」という名の「怒りチャット」を

送り付けていたのだが、

自分が「ASD自閉スペクトラム症」かもしれないと疑いはじめてから

「ちょっと待てよ」とひと呼吸おいて考えるようになった。


ここで感情任せに上司に訴えることで、

わたしだったらもっと効率よく高い成果が出せるという正当性や、

尻ぬぐいばかりさせられている被害(と思っていること)について、

その後、わたしに対する評価を上げてくれたり、

仕事がやりやすいように改善されたりする可能性はあるが、※わずかに

【自分の状況や気持ちだけを解決】したところで、

「めんどくさい派遣社員」

「うるさい派遣社員」

結果「いらない派遣社員」

となってはしまわないだろうか。

 ※いや、わたしがいないと回らない職場だから

  クビにはならんだろうけれど・・・


そもそもふつうこういうとき、

どうやって問題を解決しているのだろう?


上司に訴えるべきか、放置するべきか。

いやいや、放置した場合は、

絶対にプロジェクトの進捗が遅延してしまう。


そう、考え始めて8日目の朝というわけだ。

その間、考えることに囚われ続けていた。

仕事に集中しているときはいいが、

こと、日常生活をしているときに、

自転車の鍵を外さないまま、漕ぎ始めてしまったり、

コンビニでカゴに入れるはずのパンを、

自分のショッピングバッグに入れてしまったり・・・

 ※それに気づいたときはびっくりして

 「入っとるやん、やばいやん、捕まるやん!」と声出た。

 結局、すぐに気づいてカゴに入れなおしたので、

 事なきを得たが、

 捕まってたら言い訳できないのでマジでやばかった。


捕まっていたら、

それはそれで「完全鬱状態」になっていたに違いない。

怖い、怖いよ、怖すぎる。

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