第3話:果物の家族と恋人
スイカから声が聞こえた。
「私は女神。この世界の創造者であり、守護者です。私はこの世界に平和と豊かさをもたらすために、様々な生き物や魔法を創り出しました。しかし、私はこの世界に干渉することができないので、私の代わりにこの世界を導く者を選びました。その者がメロンナ姫です。メロンナ姫は私の娘であり、この世界の真の女王です」
俺はびっくりして、聞き返した。
「メロンナ姫が女神の娘? どういうことだ?」
また、スイカから声が聞こえてくる。
「私はあなたの世界に興味を持って、時々観察していました。あなたの世界には、私の世界にはない科学や技術がありました。私はそれらに感心して、学びたいと思いました。そこで、私はスイカの姿であなたの世界に現れました。スイカはあなたの世界の果物で、私が好きになったものです。私はスイカを通して、あなたの世界を知ろうとしました。しかし、私はあなたに見つかってしまいました。あなたは私を食べようとしたのです」
俺は恥ずかしくなった。
「ごめんなさい。でも、スイカにしか見えなかったから。女神だとは知らなかったんだ」
スイカから声が聞こえた。
「私は怒っていません。私は自分を守ろうとしただけです。私はあなたに触れるときに、あなたの心と魂を感じました。あなたは優しくて正義感の強い人間でした。私はあなたに惹かれました。そして、私はあなたをこの世界に連れてきてしまいました」
俺は思わず、聞き返してしまった。
「惹かれたぁっ? ええぇっ、どういうこと?」
「私はあなたを愛しています。あなたは私の運命の人です。私はあなたと一緒にいたいです」
スイカの声ははっきりと強く響いた。
そんなこと、いままで面と向かって言われたことがなかったから、顔が赤くなるのを感じる。
「えーと、その。ちなみに、それは愛の告白ということでしょうか?」
「その通りです。私はあなたと恋人になりたいです」
いきなり、スイカの形をした女神に告白されて、俺の頭はパニックになっていた。
しかし、そのとき、メロンナ姫が
「助けてくれてありがとう、わたしはメロンナ姫ですわ。わたしの国はドリアン王に脅かされていますの。どうか、救ってくださいませ」
とフランクな感じて声をかけてきた。
メロンナ姫は兵士たちに縛られていたが、スイカの爆発で解放されたらしい。彼女の美しいドレスは、汚れて破れていた。彼女は俺に近づいてきて、言った。
「あなたはどこから来ましたの? 見たことのない服装ですわ。それに、その『スイカ』というものと話してるなんて不思議ね。スイカって何かしら?」
俺は困った。
「えっと……俺は異世界から来たんだ。スイカは俺の世界の果物で……」
俺は説明しようとしたが、メロンナ姫は興味深そうに言った。
「異世界? それってどんな世界ですの? 教えてくれますわよね?」
俺は戸惑った。
「えっと……」
俺はどう答えるべきか分からなかった。
そのとき、スイカから声が聞こえた。
「彼は私が連れてきた人間です。私はこの世界の女神であり、スイカの姿で彼の世界に現れました。彼は私を食べようとしたときに、私は反射的に彼を守ろうとしてしまいました。その結果、私と彼はこの世界に転移してしまったのです」
メロンナ姫は驚いて言った。
「女神様? スイカが女神様? それってどういうことかしら?」
スイカから声が聞こえた。
「私はあなたの母であり、この世界の創造者です。あなたは私の娘であり、この世界の真の女王です」
メロンナ姫は呆然とした。
「あなたがお母さまだったの? まさか、そんな! わたくしが果物の子だったなんて! そんなことあるはずがないですわ!」
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