第8話【真実】



「……あ…れ……」


動かない、真っ暗、この感覚、知っている。


ショウは必死に動こうと思うが、何故か、思うように動かない。ただただ、暗い闇の中、1人に佇んでいることしかできない…


「いっ…」


頭痛と共に、覚えの無い記憶が流れる。



「いや!!やめて!!!その子はまだ生きているんですよ?!」


「どちらか1人しか助けられないなら、こうするしかないんだ!!それにこいつは弟だ…優秀な兄を生き残らせた方が何かと得だろう……これは仕方が無いことなんだ…」


「そんな……この子達は、どちらも私の大切な息子なのよ……先生!他に方法はないんですか?!」


「…………残念ながら…」


「そ……んな……」


泣き崩れる女性、焦っているかのように女性に怒鳴ってた男性…先生、と呼ばれる人……

記憶にない、でも…どうして…


「えぇい!!先生!!早く処置を、出なきゃ2人とも死んでしまう!!」


「ですが……」


「いいから早くしろ!!!」


「いや……いや!!!お願い…連れていかないでぇ……いやぁぁぁぁぁ!!!」



そのまま誰かが運ばれる。


「……ッ………おか…さん…………」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「はっ!!!」


「ッ!!!ショウッッッ!!!」


龍牙は目覚めたショウに抱きつく。



「あれ…僕は、何を?」


「ッ……ショウ…良かった…目覚めて……」


泣きながらショウに起こったことを話した。


「そんな事があったんですね……マスター、ごめんなさい…心配させて……」


「大丈夫だ……謝らなくていい…お前が無事で良かった……」


「…………へへっ///」


「安心したとこ悪いんだけど…ちょっといいかな?2人とも…」


「はっ…もしかして……」


「ショウ…初めまして……なのかな、ラトだよ…覚えてるかな?」


「……兄さん…にぃさっ……」


ショウは嬉しさのあまり涙がポロポロと流れ落ちる。


「あーあー💦泣かないの、ショウ……お話があるんだ…ちょっと、ここではあれだし、移動しないか?」


「……ヒックッ…ぅぅ……うん……」


3人はラトに案内してもらい、リビングへと向かう。


「…なぁ、話ってなんだ?それにあんたはあの時……」


「龍牙、順を追って説明してあげる…だから今は、待ってくれるかな?」


「…………分かった…」


敵か味方か分からない。

信頼とか、今はそういう状況じゃない…

情報も知りたいが、相手が強すぎる。

龍牙は逆らわない方がいいと捉え、今は警戒しながらも、従うしかなかった。


「さぁ、そこに座って…そう警戒しないで、リラックスして欲しい。ルフ🎶」


「なぁに?ラト♪」


「彼らに紅茶を用意出来る?あと……金平糖もくれるかな?」


「分かった✨すぐ用意するよ♪」


サッ…………


一瞬で消える彼の姿。そして、数秒後。


シュババ…


素早く置かれる紅茶とお菓子…

とても、人とは思えない速さだった…。


ゴクッ…


2人は唾を飲む。


「大丈夫だよ?毒は入れてない。そうでしょ?ルフ♪」


「うん🎶入れた無いから、安心してよ♪」


2人はゆっくり、紅茶に手を出す。


「………ん…美味しい……」


「……まぁまぁだな……」


「えー……」


「ね?毒は入ってないでしょ?……じゃあそろそろ…自己紹介して、緊張を解し、お互い仲を深めましょう…私の名前はラト・A・ノルスハーン、医者をやっていて、ショウの兄です…よろしく♪」


「僕はルフ🎶えっと……こう見えて、オオカミなんだ♪あ、でもオオカミ男じゃないよ?これは…」


「ルーフ?💢説明は後から…ね?」


「はぁーい……」


「あ……えと、僕はショウ…です、よろしくお願いします…ルフさん…」


「ルフでいいよ🎶よろしくね♪ショウ♪」


「……はい♪」


「……俺は龍牙…特に話すことはない…」


賑やかな自己紹介が終わり、早速本題を話すラト。


「じゃあ本題…ショウ……君は気絶してるとき …何か見なかった?」


「え……?なんでそれを……」


「………僕も、同じ事が起きたからね…」


「僕もだよー🎶」


「それって…どういう……」


「まぁ、話せば長くなりけど、ショウ、とにかく君は…何を見たのかな?」


真剣な目で問いただすラト。

ショウはラトのそんな目を見て顔を俯かせ

ゆっくり口を開いた。


「……僕が見たのは…」





8話【真実】


━━━━━━━━━━━━━━━

読んでくれてありがとうございます!(´▽`)

ここの重要ポイントはやっぱり…ラトルフですねぇー♪ふふ( ´‎ࠔ`* )

続きをお楽しみに♪

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