第39話 スケッチ

ルナ「なんだったのでしょうか…」




レド「どんな人だったんだ?俺にも教えてくれ。」




うーん…とルナは頭を抱える。




ルナ「言いようがない人だったんですの。まるで魔女のような…」




レド「魔女…俺も会ってみたかった。きっと、いたずら好きの魔女だな。ルナを困らせてどこかに消えるなんて…」




話している間に、服職人の元へとたどり着いた。




眼鏡をかけながら、壁に寄りかかって寝ているようだが…




肩を揺らし、服職人を起こす。




レド「ライル殿、起きてくれ。」




ライル「……んみゃんみゃ…起きた起きた…」




職人…ライルはやっと起きたようで、あくびをしている。




ライル「おお、レド陛下ですかな?約束の件なら、準備できていますよ。」




そう言うと二人を奥に案内し、椅子に座らせる。




ライル「ドレスの仕立て…これまた、いい仕事を持ってきてくださいましたなぁ。」




レド「いやいや、引き受けてくれて感謝しているよ。突然だったからな…」




少し申し訳なさそうにしているレドに一言。




ライル「職人は、いつでも仕事を待っているものですよ。さて、そちらの王女さんのドレスかい?」




レド「そうだ。よろしく頼むよ。」




ルナ「ライルさん、よろしくお願いいたしますわ。」




ドレスの好みや好きな色を聞かれているとき、サヤはというと…








サヤ「はい、ここのスペースを一時間ほど貸し切りたいのですが…」




ルナのサプライズのために、場所を取っている最中だった。




「いやー、ここは人気の花スポットですから…お値段はかなり…」




サヤ「あ、私商会やってるのでいくらでも大丈夫ですよ。」




一応王妃ということがバレないように装う。




「五十万ほどでしょうか…」




サヤ「はい、わかりました!今払いますね…」




当たり前かのように、財布から五十万を取り出して払うサヤに土地の主もビビる。




「あ、ありがとうございます…では二時から一時間ですね!お楽しみください。」




サヤ「ありがとうございました~………よし、場所は取れた!後は実戦あるのみ…頑張るぞ!」




天を見上げて拳をつきだす。




空が…風が…サヤを応援していた。








ライル「ほうほう…青いドレスがお好きなんですね。確かに王女さんは青い感じがしますねぇ…」




レド「どこかの占い師みたいなこと言うんだな…でも、俺もルナには青が似合うと思うぞ。」




ドレスのイメージを固めていた。




ライル曰く、ルナには青が似合うらしい…




ルナ「職人のライルさんに言われるくらい青が似合う…私はセンスがいいかもしれないんですね…!」




少し誇らしげに言うので、思わず二人は笑ってしまった。




ライル「ふふ…王女さんはかわいらしい御方だ…」




笑いながらも作業の手は止めない。




しばらくすると…




ライル「はい、ドレスの基盤となるスケッチが出来上がりましたよ。お気に召すといいのですが…」




ドレスのスケッチは、どのようなものなのだろうか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る