第36話 イケメンパワー

レド「ルナ、今日何か予定でもあるか?」




振り向いたルナの顔にレドは驚く。




レド「そのクマどうしたんだ?ベッドが合わなかったとか…」




ルナ「ただ眠れなかっただけだから大丈夫よ!少しふらふらするけど…」




と言いながら倒れそうになるルナを支える。




レド「少しでも横になった方がいい。客室まで運ぶぞ。」




おんぶの体勢でルナを客室まで運ぶ。




流石のルナもレドのイケメンパワーに少し恥ずかしがっている。




しばらくして…




レド「よし、着いたぞ。降ろして大丈夫か?」




ルナ「え、ええ…大丈夫。悪いわね…」




レド「遠慮するなよ。俺たちの仲だ、もっと頼ってくれていいんだからな。」




完璧イケメンのレドに、幼なじみと思っているルナも思わずときめく。




それと同時に、少し危機感も覚えた。




ルナ「…レド、あなた誰に対しても今みたいな扱いをしてるのかしら?」




レド「困ってたら助けるのは普通だろ?」




ルナ「あのねぇ…私だって女性、レディですわ。こんなことされたらときめくに決まっているでしょう?」




あまりピンときていないレドに注意をする。




ルナ「こういうことは、サヤさんのような愛する女性にだけしてあげてちょうだい。幼なじみからの忠告よ。心に刻みなさい。」




レド「…困っているからといって女性にやることには限度を決めてくれ…ってことか?」




あまりにもこういったことに疎いレドに、少し呆れたルナ。




ルナ「…まぁそれでもいいわ。私は少し横になるから、起きてから話しましょう。では…」




そう言うと、ルナは自分の客室へと入っていった。






お茶会はというと…




サヤ「ナーガ様、単刀直入にお聞きしますが…ルナ様はどんな方ですか?」




ナーガ「お…お姉様は…こんな言い方はよろしくないですが、怖いです…いつも昨日の様に扱われていますのて、お姉様として好きとかは…幼い時は優しいお姉様でしたが…」




幼い時。というワードにサヤは着目する。




サヤ「ルナ様が変わってしまったのはいつ頃からでしょうか?」




ナーガ「ちょうど王妃教育が始まった頃…ですかね…」




やはりとサヤは実感した。




サヤ(王妃教育が始まってから…つまり権力への価値観に干渉があった時から…ということね。失礼ですが、そこから一種の洗脳教育が始まったと…)




そこでサヤは切り込む。




サヤ「…私には策があり、ルナ様を元の優しいお姉様に戻せるかもしれません。ナーガ様、協力してくださいませんか?」




とても驚いた表情でナーガは言う。




ナーガ「お姉様を…助けることができるのですか?」




サヤ「…人のあたたかさ…権力はなくても、色々な方がいらっしゃるということを知っていただきたいのです。地域の視察…お忍びで街に出る所から始まって…」




サヤは自分の策をナーガに話した。




それに加えて、何かルナの好きなものを取り入れたいということも伝えた。




ナーガ「私が覚えている限りだと、お姉様はお花が大好きでしたわ!いつも目を輝かせてお話してくれましたの…」




懐かしそうに、でも少し寂しそうにナーガはそう言った。




サヤ「…ナーガ様は、ルナ様のことをとても想っていらっしゃるのですね。そうでなければ幼き頃の思い出は浮かびませんわ。絶対に、策を成功させましょう!」




ナーガ「はい!お姉様を助けてください…!」




こうして、ナーガからの協力を得ることができたサヤ。




ルナを救うことはできるのか?

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