第28話 夫婦

今日はサヤとレド、二人の結婚式の日…




ナラ「もう少しコルセットを緩めますか?」




サヤ「うん…ちょっと苦しい。緩めてもらってもいい?」




サヤはドレスを着ている最中。




母上「やっぱり似合っています…これにして正解ね!きっと…天国でお父様も喜んでいらっしゃるわ…」




サヤ「お義母様、ありがとうございます…私、絶対にレドを支えられる王妃になります!」






レド「…緊張するな…お前はしないのか?アンドレア。」




アンドレア「俺はしませんよ?自分の結婚式じゃないんで…」




アンドレアはレドの側近。




小さい頃からレドに仕えていたため、ほとんど兄弟のようなものである。




アンドレア「サヤ様、本当お綺麗ですよね~。レド様の婚約者じゃなければ狙ってたのに。」




レド「そもそも、サヤはお前を選ばないと思うがな。」




冗談?も交えつつレドもタキシードを着る。




レド「よし…サヤと合流しよう。部屋に向かおう。」




サヤのドレス姿見たさに突き動かされ、急ぎ足で部屋に向かう。




コンコンッ




レド「…サヤ、身仕度は済んだか?」




母上「あら、レド早いわねぇ。そんなにサヤさんのドレス姿が見たいの?」




図星である。




サヤ「身仕度は済んだよ。あとは入場…あ、開けていいからね!ちょっと…恥ずかしいけど…」




レドは扉を開ける。そこには…




それはそれは美しいドレスを身に纏った、女神のようなサヤが立っていた。




レドは思わず目を反らす。




サヤ「あれ…私、なんか変?なんで目反らすの?」




サヤが近づくとレドは顔を隠す。




レド「…今まで見た中で一番綺麗…その…直視できない…!」




母上「あら…レドったら見惚れちゃったみたいよ?うふふ…」




サヤ「レド、ちゃんと見て…?」




恐る恐る手を退かす。




サヤもレドも頬が赤い。




レド「…綺麗…サヤは何でも着こなすよな…日常のドレスとかも…似合ってる…でも今が一番綺麗だ…!」




サヤ「ん…ありがとう…」




もじもじしている二人にお義母様が一声。




母上「もうすぐ式の時間よー!向かった方がいいわね。」




サヤ「は、はい!わかりました!」




二人は急いで式場に向かう。




ナラとお義母様は後から合流することになっている。




この国では新郎と新婦は手を取りあって、皆に愛しあっていることを示して入場するのだ。




式場に入る扉の前に立つ…




サヤ「緊張しちゃうな…お父様も、お義母様も、ナラも見ているんだよね?」




レド「そうだな…緊張する…でも、俺は幸せだぞ?」




サヤ「私もだよ…」




二人で入場する。




あたたかい拍手に包まれ、手を取りあって二人は歩く。




ジャック「あんなに立派になって…うぅ…!」




お父様にいたっては目から滝だ。




ヴィクトリア「サヤ、しっかりね!」




もちろんお姉様も来てくれている。




神官の前までたどり着いた。




神官「国王、レド・ナーリア…そして王妃、サヤ・ラシュール…汝、永遠の愛と…生涯相手を支え、尽くすことを誓いますか?」




レド・サヤ「誓います…!」




神官「では、誓いのキスを…」




二人は見つめ会う。




サヤ「私からした方がいい?ふふ…」




レド「馬鹿…俺からだよ…」




二人は誓いのキスを交わした…




式場の皆から拍手と喝采があがる。




晴れて夫婦となった二人。




これから共に国を治め、より良い方へ導くだろう…




次は…ハプニングだらけの国治めのお話…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る