第3話 ライブするバーニーガール

 放課後、私が帰りの準備をしていると。


『あ、あ、テスト、テスト』


 校内放送から麗奈さんの声が聞こえてくる。


『第二体育館で本日ライブを行います、是非、是非、ご覧下さい』


 すると……。


 テルルルル!


 スマホに着信だ。バックからスマホを取り出すと、麗奈さんからだ。


『あ、繋がった、今からライブ、手伝いに来て』


 あーーー、ありきたりの展開だ。


 渋々、第二体育館に行くと。特設ステージにバニーガール部の面子が集まっていた。


「これ台本、今から司会をやって」


 はい?


「なにをぬかすか、この百合百合バニーガールが!」

「安心して、私は両方いけるから」


 下ネタ禁止!私は×を両手で作り場を収める。


「そんな事はどうでもいいですが、私がボーカルのテラです」


 テラさんが人間サイズのバニーガール姿で現れる。ホントこのバニーガール部の人達は自己主張が激しい。


 で……。


 結局、司会をするはめになり。台本片手にマイクで喋る。


『次は某大人気バンドのカバー曲です』


 バニーガール部のメンバーは男性ロックバンドの曲を奏で始める。このバンドは90年代からの人気バンドだ。


 ♪!!!


 曲の演奏が終わると私の出番だ。


『続きましては本日のラストナンバー。激バニーガール軍団でTOMORROWです』


 ちなみに『TOMORROW』はこの『激バニーガール軍団』のオリジナルナンバーである。


 そして、会場内に私のアナウンスが流れると。大声援が巻き起こる。


 たった、三曲のライブなのにいつの間にか会場は大盛況であった。


 これがバニーガール部の実力か……。


 この何でも合成の時代にガチで音楽をするなんて凄すぎる。


♪!!!♪!!!


 ラストナンバーが終わると。ギターの麗奈さんがマイクを取り。


『皆、ありがとう!!!』


 やはり、リーダーは麗奈さんであった。こうしてゲリラライブは終わり、撤収を始める。私は祭りが終わったのでセンチメンタルな気分でいると。


「次は絶対バニーガール姿で司会よ」


 麗奈さんが声をかけてくる。


「い、い、嫌です」


 むふふふふふ、部員全員がωで笑っている。


 イカン、バニーガールフラグだ。


 完全に私も仲間になる予感がするのであった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る