第17話 旅の終わりに
おとぎ話「桃太郎」のモデルになった温羅伝説ゆかりの地を巡り、岡山県には貴重な史跡が数多く残されていることを改めて実感した。それぞれの史跡は普段の生活の中で存在することを知っている場所もあり、全く知らない場所もあった。桃太郎のルーツを探ろうと調べてみて、こんなにも新しい発見があったことにひらすら驚いている。
日本にやってきた渡来人と大和朝廷から派遣された武将との戦いというリアリティと、それを超人同士の戦いの如く語り継ぐ物語の共鳴が伝説をより面白く、興味深いものに仕上げている。温羅と吉備津彦命の戦いを示す点が線として繋がったとき、胸踊る古代ロマンに打ち震えた。
訪問したルートの多くは日本遺産「桃太郎伝説の生まれたまち おかやま」にも登録されており、統一されたデザインの案内看板が設置されている。この看板を探してみるのもコレクター魂が刺激される楽しみのひとつだ。特に血吸川の看板は、たまたま通りかかりに発見し、すぐに引き返して説明を読みに行ったほどだ。
予備知識が無くとも、史跡を巡れば看板が教えてくれる。現地で得る生きた学びも楽しいものだ。
もうひとつの桃太郎伝説を巡る旅を終えたとき、私の心には日本の郷土史に対する愛着の念がまた少しばかり深まったように思う。
異聞・桃太郎伝説 神崎あきら @akatuki_kz
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