鏡よ鏡

いやはなして!」


 そうってあばれるに、てんまるう。


「そこにぞうへのしっしんようしようとかんがえたが、がい使つかえんな」

てきとうことわないでください!」


 そうてんまるおこに、かぜまるはなしをつづける。


にんことうらやましがってなにわるい、そのちをまったくたぬにんげんなどひとではい。おまえみずからのおれきょうりょくで、らぬうんめい千切ちぎったのだ。きょうりょくしてやったたいとして、すこってもらうぞ!」

「どうことですか?」


 かぜまることを、おもかえす。

 しかしそれをして、かぜまるまえこくすいきょうしゅつげんさせた。


こくすいきょう姿すがたうつせ。そしてよ、うつりし姿すがたこそみずからのこころれ!」


 かぜまるがそううと、姿すがたこくすいきょううつる。

 そしてこくすいきょううつったは、にだけこえるようかたす。


「……わたしかおるうらやましい。わたしあぶなくてもけんでもかまわない、ぶんたしかめたい。たすけたいちはうそじゃないけど、それじょうことてみたい。そのためなら……」

ちがいます、わたしは……――」


  ガコン ガコン ガコン


「おいてんまるはなせ!」


 こくすいきょううつったぶんことていしようとしたことを、もとにやってようことさえぎった。

 おなじくやってほくたい耀ようともどもようたちせんかぜまるたちいている。


うごかないてきほうして此方こちらたか……あまいな。だいりゅうじん!」


 おにまるがそううと、だいりゅうじんうごし、てんまるたちはいんでどうする。

 そしてこくすいきょうようたちほううらがえり、こくすいきょううつったようたちしゃべす。


貴方あなたたちがこのけんげんいんなら、わたしほんしんられなければわたしこうどうゆるされる……」

「そのことだまもらけるぞ! オン、ヒラヒラケン、ヒラケンノウソワカ」


  ジャラン


 てんまるがそうってはなし、じゅもんとなえてしゃくじょうると、しゃくじょうおとともてんまるひらえるかぜあつまる。


じんつうりきらえしめのわらわことよ。うつしものかくに、くさりくさびりてかたしろらん。オン、ヒラヒラケン、ヒラケンノウソワカ……」


 さらてんまるつづけてそううと、てんまるひらったえるかぜともに。ひかりにつつまれえた。


「おい、をどこにやりやがった!」


 ようあわてててんまるにそううと、だいりゅうじんちかいたホウオウマルから、つうしんのうたい耀ようようせつめいをする。


よう、あのじゅもんまえいたことる……」

ガイストがないということは……)


 そうかんがえたたい耀ようは、だいりゅうじんせんうつう。


ぶんさんはだいりゅうじんなかだ!」


 たい耀ようがそううと、てんまるつづける。


「ごめいとうみずからのつみにんつみはかり、みずからをゆるしたところで、しんじつったがわ如何どうおもうかはわからぬ。そのきょういつわったこころゆがみモノのへとわりく。さぁ、おまえたち如何どうたいしょする?」


 しゃくじょうようたちしながらてんまるはそうい、こくすいきょうともどもかぜまるおにまるてんまる姿すがたす。


は……」


 だいりゅうじんからこえがする。


さん、だいじょうですか?」


 かおるだいりゅうじんかってそううと、かえす。


「……はい。なにくらくうかんて、まえあなみたいなところからかおるくんたちえています」

ってろ、いまぼくつかまっているしょをっうわ!」


 たい耀ようしゃべっているさいちゅうだいりゅうじんうごホウオウマルかってた。

 そのこうげきかわたい耀ようだが、だいりゅうじんはそのあとしつようホウオウマルねらこうげきかえす。

 こうげきたいおそいものの、どうそくがっており、たい耀ようホウオウマルだいりゅうじんことず、かわすのがせいいっぱい


  ガコン ガコン

   カキン カコン


 ようほくすきて、だいりゅうじんリュウジャマルロウオウマルたいたりこうげきおこなってみる。

 が、こうようにはえない。


「このままじゃ…… そうだ、まってだいりゅうじん


 そうくちし、だいりゅうじんめようとするが、だいりゅうじんいっしゅんまるだけでまたこうげきかえす。


「……よ」


 そのちょくうしろからこえがした。

 かえったにしたのは、もうひとぶん

 もうひとう。


わたし貴女あなた貴方あなたこころ


 いっぽうで、だいりゅうじんこうげきかわつづけているたい耀ようあせっていた。


たりともはやうごきをめてくれ。このままだとしずんで、ホウオウマルがきちんとちから使つかえるかからなくなる!」


 ようほくにそうおしえるたい耀ようだが、ようこまった調ちょうかえす。


「そんなことってもよぉ」


 ようとおり、ようほくしょからず、だいりゅうじん下手へたこうげきない。

 なのでたいたりでだいりゅうじんこうじょうふたにはどうしようもない。


だいりゅうじんうごかしているのはわたし貴女あなただいりゅうじんうごかすには、わたしれるしかない」


 だいりゅうじんうち、もうひとにそううと、はもうひとぶんく。


「なら、どうすればいんです……」

おしえなさい。あのたちわたしうち、……わたしがここにため貴方あなたたちようしたと」

「そんなことはありません。わたしはあのたちたすけたいと……」


 するとそとからかおるこえがする。


さん。貴女あなたこえしかしませんが、ほかだれるんですか?」


 ぶんがいに、もうひとぶんこえこえないことかいし、すこかんがえてからかおるかえす。


「いいえ、ぶんわたしひとです」

「あのは、貴方あなたほんとうことはなしてくれたのに……」


 もうひとぶんにそうわれ、おこる。


「うるさい!」

きらわれたくないなら、ごうわるぶんかくせばいの?」


 あきれたようにもうひとぶんにそうさとされ、つよ調ちょうかえす。


わるい? ひとはそううモノ、それにあのたちたすけたかったちはうそじゃない!」

「ねぇ、さん。どうしたの?」


 こんそとから、こえみみはいる。


なんでもありません、貴女あなたにはかんけいことなのでほうっておいて!」


 すこおこった調ちょうへんに、すこしムッとしかえす。


なによ、ひとしんぱいしてるのに。もしかして、なにかくしてるんじゃいでしょうね!」


 のこのことに、はんしゃてきほうもんう。


かんけいいから、かんけいいってってるでしょう!」


 もともとは、ぶんとのかい調ちょうすこあらぶっていた。

 そしてげんじょうからないは、すこまえくちゲンカをしていたことり、ことかいかんじたのだ。

 さらも、たいしたもうひとぶんあおられイラついていたためことことってしまったのでる。

 しかししきが、いちてきとはかんぜんほういたためだいりゅうじんこうげきほういた。


 そのすきいて、たい耀ようホウオウマルめいれいをする。


いまホウオウマルだいりゅうじんしんじつらすひかりを。しんじつらすひかりよ、だいりゅうじんしんじつ姿すがたあばせ!」


 ホウオウマルしんじつらすひかりが、たいようからだいりゅうじんらす。

 するとだいりゅうじんどうたいぶんに、ひとかげあらわれた。


たりともどうたいだ! あぶなくようぶんかいするぞ」


 たい耀ようがそううと、ほくロウオウマルおもり、だいりゅうじんあしこんかたなかる。


  ガギン


 ……が、やいばとおらない。


  ミシミシ 

   ガゴン ガゴン


 そのけっほくこうげきちゅうだん

 ロウオウマルうしろにすう退き、ほくう。


「でもどうやって? ぶんボクちからじゃだいりゅうじんかいないよ!」


 ほくことあとだいりゅうじんさいうご臣器おみきたちこうげきはじめた。

 だいりゅうじんは、こんさんをランダムにえらんでこうげきけてためようたちいっこうげきされたときに、すきいてこうげきをするパターンをかえすが……

 こうげきとおらない。


どうりんけん!」

「ソーラーカッター!」


  ドガッシャン


 しかしどうりんけんはじかれ、ホウオウマルはじばされた。


「うわっぁぁ!」

「チクショウ、どうすればいんだ……」


 たい耀ようはんどうれでさけび、ようがそうってやしがると、何所どこからかオモイカネのこえこえてる。


「それならきみたちも、がったいすればい」


 さらにオモイカネはう。


はなしはいていた、如何どうやらふういんけたようだな」


 そうってかおるまえあらわれたオモイカネは、ようたちかってつづける……

 とてもちからづよく。


っていただろう。そううイメージがるならがったいすればちからす。われわれはそうそんざいだ!」


 ツクヨミのふういんやぶり、オモイカネがちょうからことおどろいていたスセリだが、オモイカネのそのことき、さらおどろいて……とうかあきれてはんしゃてきかえす。


「オモイカネ、なにまごごとを。臣器おみきにそんなちからは……」

臣器おみきごうしんけっしょう、やってやれないことはないはずだ。それにとはときわるモノ、いならためしてみるしかあるまい!」


 オモイカネにそうかえされ、スセリはあたまかかえる。


(またかっことを……)


 そしてククリとツクヨミにねんおくるがはんのうい。

 スセリがそんなことをしているときようたい耀ようがオモイカネにもんかえす。


がったいったって、どうすりゃいんだよ?」

だいたい、このじょうきょうがったいなんてるのか?」

「それはぶんたちかんがえてくれ!」


 そうかえしたオモイカネに、ほくもんう。


「そんな、がっこうせんせいみたいなことわれても……」

ほくくんことにはさんどうしますが、みなさんおねがいですからにやってください」


 いままでのかいいてがそうもんうと、オモイカネがける。


「それならきみきょうりょくしてくれ、なにかくしている?」

わたしは……」


 そうつぶやいたに、もうひとぶんう。


「ほら。貴女あなたきらわれたくないとおもいが、みんなめいわくけている」


 もうひとぶんにそうわれ、はもういちぶんかいう。


かっています、でも……」


 しかしおおごえでそうったあとうつむいてだまんでしまった。

 そのこえいたスセリはかんがえる。


(……かたない。このままではしずんでりょうしんあましんぱいけてもいけない。もうすこわたしりんおうへんうごいてみましょうか……)

貴女あなたなんでこんなことをしようとおもったの?」


 スセリがそううが、からのへんい。


はんのういか、それなら……)


 そんなことかんがえながら、スセリはようたちにんねんおくる。


(「わるいけどみんなわたしはなしをわせてくれるかしら」)



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