謎の少女現る

【4がつ10きんよう しずしょうがっこうねんくみきょうしつ


  キーン コーン

   カーン コーン


「すみません。このクラスしらいし ほく五十嵐いからし よう日向ひゅうが たい耀ようくろさわ さんはますか?」


 やすかんはじまりしばらってから、ようたちクラスにそうってやってたのはろう

 やってろういたが、ろうはなしかける。


「よっ、ろうなんようか?」


 ろうき、おどろいたようへんかえす。


「カバのにいちゃん、このクラスだったんだ」

なんろう。カバのいだったのか?」


 たい耀ようがそうってはなしにはいってると、たい耀ようう。


とうこうはんいっしょなんだよ」

「それでなんようだ。おまえ……もしかしてクラスなにわれたのか?」


 ようすこしんぱいそうにろうにそううと、きょうしつそとからおんなこえがする。


「そうじゃないみたいよ、ほら……」


 こえあるじは、となりのクラスあかてんこうせい

 かのじょろうクラスしょうねんひとげられないようつかまえていた。


たしふし ときさんでしたっけ?」


 かおるときにそうくと、ときしょうねんはなうなずこたえる。


「えぇ」


 そしてはなしたばかりのしょうねんに、がおつづけてう。


になるなら、がんばってはなしかけないとね」

「うっさいな。だれだよおまえ!」


 はずかしそうにそうときったしょうねんに、ときほほみながらかえす。


りんちょうかいこうちょうせんせいが、ろうくんいっしょせつめいしたはずよ」

るかそんなこと


 ほほときに、しょうねんはそうもんってそのからった。


「ねぇろうくん、どうしたのあの?」


 ときろうにそうたずねるが、ろうくびよこる。

 ろうは、あのしょうねんまえすららないのだからこたえようがい。


「おまえがいたいへんそうだな」


 ようがそううと、ろうこまったかおう。


「オイラはにいちゃんたちが、ほんとうあいしてくれるかたしかめにただけなんだけど……」


 するとときろうつづける。


わたしたすかったわ。こうやってべつクラスはなかいたし……」


 そしてろういた。


なんだこの……)


 ろうときに、すこかんじをおぼえそうおもったが、そのかんかくをいったんし、すこしはずかしそうにときく。


「……ときねえちゃん、がいだいたんだな?」

「あら、アナタはずかしがらないのね? わたしそれなりにじんかくったんだけど」


 がおときがそううと、ろうごういんときからはなれた。


(このはんのうかぎり、れてもだいじょうそうね……)


 そんなことかんがえながら、ときろうあたまでた。


「やっぱりずかしいんじゃない」

かってるんならめてくれ!」


 おころうながら、ときはクスクスわらう。

 そのあとときたい耀ようほうけると、ちかいてく。


はじめまして日向ひゅうがくんいてたとおりのかおしてるわね。おねがいがるんだけど、ともだちになってくれない。ほら、かおもの同士どうし一緒いっしょほうとくでしょう?」


 そうったときことに、たい耀ようあきれたかおをしてう。


「はぁ?」


  ざわ ざわ ざわ


 とつぜんことあきれているたい耀ようとはべつに、ねんくみ生徒せいとにざわめいきがった。

 ひといもいし、がくねんいちばんかおあたまかねちのおとこに、じんてんこうせい漫画まんがやアニメ、ドラマみたいなことったのだからたりまえではあるが……


 いっぽうろうたちからしたしょうねんは、あたらしいこうちょうせんせいしもむら つぐめられる。


「こら、廊下ろうかはしっちゃいかん!!」

「ごめんなさい。…………校長先生、オレの話し聞いてくれる?」


 こまった顔でそう言い返して来た少年に、嗣次つぐじ事情じじょうを聞く事を決めた。



 ★★★★



【5ふん しずしょうがっこう こうちょうしつ


「……と、ことなんだけど。かったか?」


 そうったろうは、やすかんはんぶんわったころに、つぐこうないほうそうこうちょうしつされこうちょうしつた。

 まえにはねんくみからしたしょうねんかざまつり すけ姿すがたる。

  すけろうしろて、にちようかぜまるではないかとうたがっていた。

 そして、それをこうちょうせんせいつぐそうだんしたのだ。

  つぐすけに、ろうぶんしんせきことつたえ、さらにやってろうすけうでしろくなったゆうせつめいした。


かった。それとごめん……」


 すけろうにそうあやまると、ろうすけけてひだりす。


かってくれたんならいいや。ほら、ときねえちゃんにはあやまったほういだろ、くぞ」


 そうったろうすこちゅうちょするすけだが……


「……うん」


 うなずいてすけろうると、ろうつぐかっておれいう。


こうちょうせんせいすけことありがとう。オイラたちようるからくよ」

すけくんろうなかくしてくれ」


 ろうことたいし、つぐすけかってそうい、ろうずかしそうにつぐかえす。


「うっさいな! ……こうちょうせんせいしつれいしました」


 ドアをけ、ろうすけいてこうちょうしつあわててく。


しつれいしました」


 すけかれながらつぐにそうあいさつし、そのようがおおくつぐもとに、ろうからねんる。


(「てんまる、このけんあとはなしがる」)

(「かっている。ひるやすみでもたずねてるがい」)

(「かった。ククリ伯母おばさまとスセリさまにも……――」)


 いそぎでかいだんがっていたろうは、いっしょかいだんがっていたすけあしめたので、ろうねんめてすけく。


「どうした?」

ずかしい……」


 そうってすけつないでいたほどいたので、ろうかんがえる。


たしかにどもとはえ、このとしずかしいだけか……)

わるい、おじさんにともだちってわれたのがずかしくて」


 ろうもうわけなさそうにそうったので、すけちからなくかえす。


こんからけろよ」

「ゴメン」


 そうあやまったろうは、つぐねんちゅうちゅうだんしたことねんあやまりながら、すけあらためていそぎでねんくみかう。

 するとねんせいだいすうくみあつまっていた。


「やっぱりひどってんな」


 あきれたかおでそうったろうに、すけく。


なんさわぎだ?」


 どうこくねんくみ

 たい耀ようときねんせいじょの3ぶんの1にかこまれて、うごきのれないじょうたいっていた。

 さいしょときことで、クラス女子じょしぶんの1にかこまれこうろんが始まっただけだったが、かんつにつれいちくみにもことだいつたわり、いちくみ女子じょしぶんの1もわわりいまいたる。

 ちなみにほかねんせいたちは、せんせんきょうきょうこうしんむねに、このさわぎをまもっていた。


「ねぇふしさん、なんうわよ。てんこうしてともだちしいのはかるけど、いっぽうてきともだちになっては、日向ひゅうがくんめいわくだとはおもわない?」

「「そうよ、そうよ」」


 じょたちときめることを、たい耀ようめるすべい。

 いや、さいしょめようとはしたのだが。

 しかしじょたちはくりょくけて、だまんでしまっている。

 げんじょうでは、ときひとかこんでいるじょたちあいに、まわっていた。


  キーン コーン 

   カーン コーン


 やすかんわりをげる、チャイムをいたときおもう。


(……そろそろしゅうしゅうしたいか? 使つかえそうなのは其所そこせきたかいおさげのおんな、それとベランダにげてわたしているちいさなおとこ


いてるの? だいたいなによそのあかかみりょうみたいないろしちゃって」


 あるじょがそううと、ときいっしゅんそのじょにらむ。

 そのがんりきに、にらまれたしょうじょいっしゅんたじろぐが、つぎしゅんかんとききながらうつむきしゃがむ。


「ちょっと、ぎよ!」


 そのようちかくでていたあおいが、かみいろわるったじょおこると、だまっていたたい耀ようつづける。


たしかにぎだ。彼女かのじょこうどうもんだいったけど、ソレとコレははなしはべつ


 たい耀ようこといてときは、わざとうつむいたままえつこえう。


「ごめんなさい。おねがいだからかみことわるわないで……」


 そしてちんもくした。

 するとまわりのじょたちがあたふたしはじめる。


  ざわ ざわ ざわ


「こら、アナタたちじゅぎょうはもうはじまっているのよ!」


 そんなとききょうしつそとからじょうせんせいごえこえてた。

 ほくかおるちゅうから不味まずいとおもい、わたなべせんせいびにったが、じょうきょうかくにんしたわたなべせんせいは、おとこぶんくちすともんだいこじれるとおもい、じょせいじょうせんせいたすけをもとめたのだ。


「ごめんなさいせんせい。……わたしわるいの」


 うつむきながらそうったときに、じょうせんせいたずねる。


ゆうとなりのきょうしつくけどい。にこのけんかかわっているは?」


 じょうせんせいは、せいにそうたずねるがものらず、それをがおげてかくにんしたときは、なみだいてじょうせんせいうそく。


わたしだけよ、ごめんなさい……」

「……かった。ほら、みんなみちけて」


 ことなんとなくしたじょうせんせいは、そうってときともきょうしつく。

 きょうしつときろうすけけるが、たりからけられることい。


(さっきのほうそうといい、いっしょるとことなにったみたいね。コレがんだらさぐりでもれてみるか?)


 ときはそうかんがえながら、じょうせんせいいてとなりのきょうしつかった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る