龍之 小太郎

「いやぁわるいねふたとも


 もうわけさそうなおりよこには、らずの、おんなりのよう姿ととのったしょうねんた。

 としぶんほくより1つした

 ほくおりしょうねんるのは、だいたいさんじょうほどいばらはつてんいスペース。

 なかにテーブルがかれ、テーブルのかたがわにはなが椅子いすいっはんたいがわにパイプ椅子いすせっされており、ほくなが椅子いすに、おりしょうねんはパイプ椅子いすこしけてた。


しょるいってコレ?」


 はそうって、ってたA4サイズのふうとうおりわたす。

 するとおりなかかくにんしてからう。


「コレだね、ちがいない。まさかべつふうとうちがえちまうとはなさけない」

「ねぇ、おりばあちゃん。そのは?」


 ほくのそのことで、おりしょうねんしょうかいはじめる。


「このわたしいのしんせきで、きんようからおまえたちおながっこうかよことになってるんだけど……、ちょっとわけりでね。ほらろう、おまえさんのせておやり」


 ろうわれたしょうねんは、おりにそうわれすこいやそうにするが、すこいてりょうほくせた。


((!))


 ろうたりおどろく。

 せられたりょうは、ぶんたちよりかなりしろい。


「どうしたのこの!」


 いたほくに、ろうこわかおをしてかえす。


なんだよ、もんるのかよ!」


 そうわれたほくに、おりせつめいをする。


「このきょねんかみなりたれた所為せいりょううでしろっちまってね。いのちたすかっただけでももうけもんなんだけど、がっこうみんなにからかわれてもっちまったんだよ。まぁなつつからねぇ」

「ごめん、ろうくん……」


 おりはなしをいて、ほくもうわけなさそうにろうあやまった。

 するとろうも、すこはずかしそうにほくう。


「……こっちもわるかった」


 ろうことわると、おりせつめいつづける。


「このいまのままじゃだとおもったらしくてね、しんてんならがんれるんじゃないかとかんがえて、しんせきいててんこうしてたんだよ」

おりばあちゃん、ずかしいからめてくれ……」


 ずかしそうにおりにそうったろうに、がおう。


「とにかく、よろしくねろうくんわたしくろさわ


 にそうしょうかいされたろうは、ほくかって、すこしぶっきらぼうにしょうかいはじめる。


「……そうだ、まだぶんしょうかいしてなかった。オイラはたつ ろう、よろしく」


 ろうしょうかいき、ほくおもおりく。


「あれ、いばらじゃないの?」

「ここにさんにんは、しんせきであってぞくじゃないからね。このはさっきのはなしであずかってるだけだし、わたしともだちしもむら つぐは、ようどうきょするだけ。とこをするのがいばら きよしげうんだよ」


 おりほくにそうせつめいすると、ほくおりへんかえす。


「そうなんだ」


 さらろうかって、ほくことつづける。


「よろしくねたつくん、ボクはしらいし ほく。そうえばまえはどこんでたの?」


 そうはなしかけたほくに、ろうう。


なが……」

じつ今年ことしにいがたからてんこうしてかおるくんともだちるんだ。おなてんこうせいどうあとしょうかいしようか」


 ろうことほくがそううと、ろうほくかえす。


「そいつは新潟にいがたの、どこにんでたんだ?」

「えっとたしか、にいがただったが……」


 ほくろうにそうおしえると、ろうすこざんねんそうなかおをしながらう。


なんだ、ちがうのか……」

ちがうってなにが?」


 がそうかえすと、ろうこたえる。


かあちゃんがにいがたまれたっていたから、しょちがうみたいだとおもって」

ろうくんのおかあさんてどんなひとろうくんてるとじんがするけど?」


 にそうわれ、ろうすこうれしそうにこたえようとするが……


「そりゃあ、もち……」


 しかしほくかいそとろうおりかいうちに、スセリがとつぜんあらわれほほむ。


(!)


 それにおどろいたろうことえる。


「……かおいいいのはとうちゃんなんだ、もちろんかあちゃんもじんだけど」


 そのことにスセリは、なっとくしたようかおをしてそのからえた。


かおいのはていしないんだねぇ」


 ろうことあきれてそうおりに、ろうかえす。


ぶんかおで、りょうしんがほめられてわるはしないだろ。ねえちゃんわいいし、おりばあちゃんもむかしれいだったってわれたら、わるはしないだろう?」

むかしけいだよ!」


 おりろうにそうもんかえし、そのへんとうあきれているろうほくたずねる。


ちゃんを『ねえちゃん』ってうってことは、たつくんはやっぱりがくねんしたなんだ」


 そうほくうと、おりほくたちはなしをさえぎためはなす。


わるいけど、そろそろほんだいはいろうかね。あとしゃまわるんだけど、このことあさしゅうだんとうこうはんどもたちおしえなきゃならない。けどあいだしゃはいって上手うまがしないんだよ。そこでそのどもたちいえさんにんまわって、どもたちせつめいしてくれるかい。ほくいえにはわたしかられんらくれておくから」

「そううのは、ようくんたい耀ようくんほうとくなんだけどな……」


 おりせつめいほくしんさげにそうこたえたので、おりかんがえる。


使つかうのは、わたしてきにはいやなんだけどねぇ……)

なんだい、いっしょつだうのはいやかい? それならようでもんで……――」


 おりがそうはじめると、ほくはそのこと途中とちゅうさえぎかえす。


ようくんいまごろいえつだいしてるからだよ。……かった、ボクがやる」

(まぁ、ちゃんとかんえるからいか…… 上手うませつめいるかなぁ?)


 そんなことかんがえてるほくに、もうわけさそうにはなしかける。


「ごめんほくくん

にしないで」


 ほくがそうかえすと、ろうう。


「そんじゃオイラは、じゅうしょいてあるプリントってる」


  ドタドタドタ


 そうってろうは、くついでじゅうきょスペースへかってった。

 そんなろうしりに、おりほくぶんへのことすこおどろいてかんがえている。


よういまねぇ…… ほくにしてはまえきなことだけど、どうしんきょうへんかねぇ)


 いっぽうかいぶんへやってろうひだりに、いちまいのプリントようあらわれる。


(「これでいのかおにまる?」)


 ろうがそうおにまるねんおくると、おにまるねんでおれいう。


(「じょうだ、あとはタイミングか…… わるいが何処どこでもいい、これからいえどもおやんでくれ。此方こちらたのみがほんだいではるが」)


 ねんおにまるにそうたのまれたろうは、クスクスわらいながらねんかえす。


(「フフフ、まさかさまども使つかいをたのまれるとはな。コレでもいちおうとこおうひとなのだがなぁ」)



 ★★★★

 


「それじゃぁ、さいしょはカバのいえだね」


 とこほくろうは、はじめにいちばんちかほくたちどうきゅうせいいえかうことめ、ほくがそううとまえていすすはじめた。

 すうあるいたあとろうほくく。


「なぁ、カバってだれだ?」


 するとが、ちかくにたてものゆびこたえる。


くんうんだけど、ちょっとよこおおきくて。そこのたてものくんしょけんかいしゃで、あのまえいえたく


 さいしょしめしたたてものには、ゆうげんがいしゃ きょうせきこうぎょうかんばんかかげられていた。


ゆうげんがいしゃってなに?」


 ろうきょうほんにそうくと、すここまったさまこたえる。


「お祖母ばあちゃんがうには、しゃいんかぶぬしかいしゃらしいんだけど…… わたしまだそううのくわしくらないの、ごめんなさい」


 あやまに、ろうくびよこってからおもう。


(とことは、つういえよりひとるか……)


  ガラガラ


 しょかいべんきょうをしていたは、そとからのこえ気付きづき、まどそとほくたち見付みつけてまどけ、さんにんこえをかける。


なんだ、よういないのはめずらしいな。で、そのチビはだれだ?」


 するとほくほうき、かえす。


「やぁカバ、このたつ ろうくんしょほうたんだ、なにしてるの?」


 ほくにそうかえされたは、すこずかしそうにさらかえす。


はるやすみの宿しゅくだいのこりだよ、こうだとゲームするからって……」

あとりなんだからしっかりしないと」


 にそううと、すこなさけなさそうにかえす。


かってるよ……」

「カバ、ちょっとはなしがるんだけど?」


 そうってほくは、ろううではなしをにするかくにんってから、おりからいたろうはなしをせつめいした。

 ろうほうろういろしろっぽいことかくにんするとさんにんう。


かった。こうほうすずさんがるけど、んでようか?」

すずさんって?」


 がそうくと、こたえる。


ちかくにんでるたくってしょうがくせいちちおやさ」

「そのならプリントにってるけどしゃほうは、またべつしゃべついてせつめいするらしいからいいよ。まだごとってないんでしょう?」


 ほくがそうかえすと、それをいたろうおにまるねんう。


(「おにまるころいだ……」)


 そうとはらないほくは、はなしをつづけている。


「それじゃのこった宿しゅくだい、がんばってね」


 ほくがそうわり、ろうともにそのろうとするととつぜんはいおにまる姿すがたあらわし、つかまえた。


ひさしぶりだなぞう


 とつぜんあらわれそうったおにまるに、ほくおどろく。


((!))

「と……ともだちおにに、みんなたすけて!」


 あわてて、大人おとなたちたすけをもとめにったのをろうおにまるかくにんし、おにまるたのしそうにほくう。


「さて…… さまはこのじょうきょうで、かってゆうるか?」



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