火流羅ガイスト

 せいたちなんわったたいいくかん

 そのなかにはすうめいせんせいと、たおんでいるこうちょうせんせいがまだのこってた。

 どもたちぜんいんなんわったことかくにんしたわたなべせんせいが、ステージじょうこうちょうせんせいかってう。


くれてすみませんこうちょうせんせいどもたちなんわりました」

「そうか…… すまんがこしをやってしまったようだ、だれしてくれ」


 こうちょうのこのことわたなべせんせいはステージにがり、こうちょうせんせいかたす。


「おまえたち、ありがとよ」


 臣器おみきたちかってそうったわたなべせんせいは、こうちょうせんせいとそのろうとするが、うしろからこえててんまるてきわらいをき、あしめた。


「フフフ、いまにんげん臣器おみきたちれいうとはな……」


 わたなべせんせいいててんまるようかくにんするが、へんい。

 あんしんしてたりがステージをりてくと、ちゅうこうちょうせんせいあしはずころびそうになった。


あぶない!」

「クゥワッー!」


  ガシャン

   ガシャジャン


 しかし、わたなべせんせいと、しゃくじょうたすけにホウオウマルのおかげで、なんとかかいだんからてんらくせずにむ。


「すまないわたなべせんせい。それと……――」


 こうちょうせんせいが、わたなべせんせいホウオウマルにおれいおうとしたそのとき……


  ジャラン

   ガゴン

    ジャラン


「キャウン!」

「キィィ!」


  ジャランゴン

   ガシャゴン


 こうちょうせんせいのおれいうしろからこえてた、しゃくじょうきんぞくおんなにかをなぐったおと、そしてリュウジャマルロウオウマルごえちゅうだんされた。


こうちょうせんせいわたなべせんせいてんが!」


 グラウンドにとびらちかくでそうったせんせいこうけいは、ホウオウマルてたしゃくじょうめんちるといっしゅんえ、さいしゃくじょうあらわれるとどうリュウジャマルロウオウマルえ、そのあとしゃくじょうったてんまるが、さいりゅうじゃまるロウオウマルこうげきしたとうものだった。

 そのせんせいこえかえったわたなべせんせいたモノは、かべはしらけられたでろう露龍リュウジャマルロウオウマル

 そしてぶんしゃくじょうけているてんまる


おもったよりひとのこっているな…… かんけいしゃみな臣器おみきたちわしてきるときちんとかいしたはず


 そうおもい、てんまるう。


「さて、そろそろしおどきか……」


 てんまるはスセリにねんたずねる。


(「スセリさま其方そちらじゅんは?」)

(「もう少し待ってくれる」)


 スセリにそうかえされたてんまるおもう。


(ならば……)

ひとよ、けぇぇい!」


 てんまるこうちょうせんせいしゃくじょうしながらそううと、こうちょうせんせいちゅうわたなべせんせいさけぶ。


こうちょうせんせい!」

「ぐわぁぁぁぁ……」


 いたこうちょうせんせいがそうすこるしんだあとしきうしなったのかどうだりしなくなる。

 それをかくにんしたてんまるは、スセリにねんさいかくにんる。


(「此方こちらじゅんととのいました。其方そちらあとどのくらいかります」)

(「もんだいいわ。……鎮守しずめまもりけっかいじゅんととのったわ」)


 スセリはてんまるにもかるように、っていることを、てんまるにもおなじタイミングでねんってかせはじめた。


如何どうした? かってんのかわたなべとやら、まぁわしおにではいがな」


 てんまるがそうわたなべせんせいあおると、わたなべせんせいすこかんがえてからなぐりかかる……


 ……いや、かかろうとしたのだが、


「この……ってアレ?」


 わたなべせんせいいたらグラウンドにた。

 たいいくかんこうしゃちゅうしゃじょういっしょに、ったたかさ50メートルほどしずめまもりけっかいかこまれている。



 ★★★★



たい耀ようくんほんとう一人ひとりだいじょう?」


 たい耀よう汗衫かざみ姿すがたは、鎮守しずめまもりけっかいなかこうしゃはさんでグラウンドとはんたいがわちゅうしゃじょうた。

 しんぱいそうにそうったに、たい耀ようしんまんまんる。


昨日きのうってせただろう。それともぼくじゃふくか?」


 そうったたいようにスセリはちゅううながす。


たい耀よういちおうたりにもキーホルダーをてんそうしておいたからちゃをしてはよ。かっこうけてしっぱいし、しんぱいするのはようたちなんだから」

われなくてもかってる、だいじょうだって……」


 そうことかえしたたい耀ようは、こころなかう。


(……そうさ、かっこうけたんだからやりとおす。ぼく一人ひとりでもあんしんるぐらいにならないと。だってまだこわいはずなんだから…… そのためにもあのあといろいろかんがえたんだ、アイツなんこわいもんか!)

い、ホウオウマル!」


 たい耀ようがキーホルダーをかかげ、そうさけんでホウオウマルぶと、てんじょうからいっせんひかりたい耀ようり、そのひかりがひろがりホウオウマルかたちづくっていく。

 まぶしいひかりに、まぶたじていたたい耀ようまぶたけると、すでホウオウマルなかた。


「あれ、もうホウオウマルなかだ?」


 たい耀ようがっていると、スセリがはなしかけてる。


ぶんがたときおなように、ホウオウマルたいするかんがかたわったからよ。イメージってうんだっけ? それとせつめいしてかったけど、このけっかいなかものは、こわれてもけっかいもどせばもともどるわ。それにけっかいないかんけいひとたちは、きょうせいてきけっかいそとどうさせてある」

かった。それじゃぁたいいくかんこわして、てんまるようを……――」


 そうったたい耀ようことを、ホウオウマルしのまえに、そらからあらわれたてんまるおこった調ちょうさえぎる。


ぶっそうことかんがえるでないわ!」


 そのあとてんまるあらためてあきれたようことつづける。


「まったく…… けたぞことほう

「おまえけっかいなかだとよわいのに、ぼくまえれたな」


 たい耀ようてんまるにそううと、てんまるしんまんまんかえす。


「そのけっかいかんぺきではいのだ。いてるがい」 


 てんまるこうしゃおくじょうどうすると、たい耀ようてんまるっておくじょうどうし、おくじょう……せいかくにはおくじょうじょうくうにやっててんまるたい耀ようを、したほうがっこうせいせんせいたちつめてる。


 たい耀ようてんまるく。


ぼくはおまえたちきたいことが……――」


 しかしてんまるは、そのことさえぎる。


はなしはあとにしてもらうぞ」


 てんまるがそううと、たい耀ようおどろく。


((!))

 

 とつぜんぶんたちまえに、ちゅううしなったこうちょうせんせいあらわれたのだ。


「おいスセリ、さっきのせつめいはなしがちがうぞ!」


 たい耀ようがスセリにそうたずねると、スセリはこまった調ちょうう。


「これはわたしからないわ」


 つづけてがスセリにく。


「スセリ、いまからこうちょうせんせいそとには……」

「ゴメンなさい、みたい……」


 スセリはそうこたえ、てんまるたい耀ようう。


かいからさっするに、スセリはおどろいているようだが、おどろくのはまだこれからだ!」


 てんまるはそういながら、こうちょうせんせいうしろにどうした。


「しまった。てんまるこうちょうせんせいちかすぎてこうげきが……」


 そうたい耀ようしりに、てんまるじゅもんとなはじめる。


じんつうりきらえしめのわらわことよ。うつしものかくに、くさりくさびりてかたしろらん。オン、ヒラヒラケン、ヒラケンノウソワカ……」


 じゅもんとなはじめると、てんまるこうちょうせんせいてんじょうからのひかりおおわれ姿すがたかくし、ひかりがえるとホウオウマルよりひとまわおおきい、……いやからすてんした、じゅうえんいろつばさくろいロボットのようなモノが、姿すがたあらわす。


なんだ、あのロボット!」


 たい耀ようおどろいていると、くろいロボットのようなモノからてんまるこえこえてる。


「フフフ、さま臣器おみきしてみたが如何どうだ。そうだまえガイストにでもしようか?」


 ちかくにこうちょうせんせい姿すがたこといたたい耀ようが、てんまるく。


てんまる! こうちょうせんせいをどこへやった」

「た……ホウオウマルこうちょうせんせいは?」


 おどろいてたい耀ようにそういたに、たい耀ようかえす。


ぼくからない…… スセリはなにからないか?」


 するとスセリはすこもうわけなさそうにこたえる。


「ゴメンなさい、わたしにも……」

なにおろかなことっておる、おまえまえるではないか?」


 てんまるがそううと、スセリがおどろいたりをしてかえす。


「そんな馬鹿ばかな、ひとがこのよう姿すがたに……」

わすれたかスセリよ、ことひとてんじさせるのだ。うそだとおもうならためしてみるとい…… たらのはなしだがな!」


  ガシャン

   ドゴーン


 てんまるはそういながらガイストで、ホウオウマルしょうがっこうおくじょうたたとした。


「うわぁぁぁ!」


 そうくうかんれのしょうげきたい耀ようがそうさけぶと、しんぱいしてたい耀ようびかける。


ホウオウマル!」


 しかしたい耀ようからのへんい。


如何どうこわいだろう、こうげきんだろう。オン、ヒラヒラケン、ヒラケンノウソワカ。ことよ、ばくするやいばとなれぃ!」


 てんまるがそううと、ホウオウマルじょうふくすうひかりやいばあらわれる。

 そしてそのやいばは、ホウオウマルつらぬうごきをそのとどめた。


如何どうだスセリ? ちからは」


 てんまることに、スセリはかえす。


「アナタのその姿すがたいったい……」

われとて鹿ではない。みずからがじゃくたいしたのなら、しゃやモノのりればいのだ。それにさまたおことも、なかれることひつようくなった」


 そう説明せつめいをしたてんまるに、スセリヒメはさいく。


如何どうことです?」

「フフフ、われことこせばさまたいせねばなるまい。じゃつのがひとるなら、はんせばひとかみすがる。昨日きのう今日きょうごとさませいかたったのだ、かえちにしつづければ、うつしをなるべくこんらんさせず、きょうでこのくにおおことる。いまくにとのいもる、われとてくにこんとんとす鹿ではい!」


 天狗丸てんぐまるはなるべく、グラウンドにせいせんせいたちえるようおおごえでそうい、スセリはそれにつづける。


「そこでアラハバキ…… とことですか?」

すでにアラハバキさまもともどっておられるうえしばらくすればかぜまるおにまるふっかつする……」


 そうわったてんまるにスセリはう。


「そう…… そうことですか。せつめいありがとうてんまる


(スセリ?)


 スセリのことがっていると、スセリはたい耀ようかってう。


いていましたかホウオウマル貴方あなたならわたしことかるはず。貴方あなたにはひかりによりいつわりをちからる。はつどうするにはことはっすればいい、そのことは『しんじつらすひかり』…… あと貴方あなただい


 さらにスセリは念話ねんわたい耀ようつづける。


(「わたしかんがえがただしいなら、たいこうちょうではいはず。あとおんなおおったんだから、ぶんでどうにかるわよねたい耀よう?」)

(「もちろん!」)


 たい耀ようねんでそうかえすと、こころなかう。


ぼくる、る、る!)


 するとホウオウマルさっていたひかりのやいばはんぶんえ、しょう身体からだうごようになると、たい耀ようガイストをつめ、ホウオウマルめいれいする。


ねらいは火流羅かるらガイスト。真実をらす光よ、やつしんじつ姿すがたあばき出せ!」


 そのしゅんかんホウオウマル身体からだこんじきへとわり、たいようからガイストにけて、サーチライトのようひかりがってた。

 ひかりにらされたガイストのとうこうちょうせんせい姿すがたが、どうたいぶんてんまる姿すがたかびがったのをて、スセリはう。


「やはり、あのにんげんなかとらわれているだけか…… ホウオウマルあいうごきを……いえ、なんだったらとうがいこうげきかいしてもかまわない。あとわたしちからかれもともどせばい」


 そんなスセリのことどうに、ホウオウマルつなめていたひかりのやいばすべえ、ホウオウマルガイストのまえじょうする。

 ひかりがえるとホウオウマル身体からだもといろもどり、てんまるえらそうにう。


「フン、よるにんげんしょざいがばれたからなんだとうのだ。ガイストのちからあまるな」


 そのことどうに、ガイストがホウオウマルんでる。



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