消える恐怖

「ほぉ。スセリよ、むすめ身体からだったか」


 は、臣器おみきかくでそうったてんまるたいしていた。

 臣器おみきかくとは、河川かせんしきどおがわにんげんが、臣器おみき所為せい姿すがたがきちんとかくにん


ちがうわてんまるわたしちからしているだけ、めたのはこの


 はなしをしていないから、何故なぜかスセリのこえがする。

 そのこえようたちにもこえていた。


「スセリ、どうなってるんだ?」

むすめって、もしかしてちかくにるのか!」


 たい耀ようよう姿すがたえないスセリにそうくが、スセリやからのへんとうい。

 スセリはねんう。


(「あまりしゃべっては」)

(「どうして?」)

(「あのたちちがって、貴女あなたしょうたいがバレたらしがかない」)


 とスセリがそうねんかいをしていると、はいからかぜまるこえこえてる。


いたぞスセリ!」


 そのこえくと、かぜまるおにまるが10すうメートルさきいてていた。


「おまえたちなにをやっている?」


 てんまるすこおこった調ちょうかぜまるおにまるにそううと、おにまるてんまるう。


けろてんまる。スセリのちからがっている」

「だから如何どうした、しょせんばいかいわらべ。このじょうきょうで、きょうたぬものなどはずい! オン、ヒラヒラ…………」


 そうっててんまるじゅもんとなはじめ、じょうひかりのやいばしゅつげんす。

 てんまるじゅもんえいしょうするなか、スセリはつぎこうどうねんする。


「(ようたち貴女あなた姿すがたせてきょうつぶすわよ)」

「(……そんなことるの?)」


 がそうかえすが、スセリがへんまえてんまるえいしょうさきわる。


きょうよ、ものうごきをめよ」


  ジャラン


 しゃくじょうてんまるがそううと、ひかりのやいばじょうからそそぐ。

 しかしそのこうげきはスセリが身体からだうごかしてかわし、スセリはさきほどこたえをねんう。


(「おとこごころだいかしらね。それよりついげきるは、きょぜつして!」)


「「うぉぉぉぉ!」」


 そのこえあたりをまわすと、かぜまるおにまる此方こちらおそいかかってている。


きょぜつって! こわい、ないで!)


 あわててはんしゃてきうずくまったに、風丸かぜまる鬼丸おにまるこうげきけるが……


  パキュウン


 きゅうじょうしろはんとうめいけっかいはばまれ、身体からだはじかれた。


「ちっ、やはりけっかいくだけんか……」


 おにまることで、ぶんじょうきょう理解りかいしたおどろく。


いまのは?)


 そうおもっているに、くうちゅうどうしながらスセリはねんう。


(「上手うまいじゃない」)

(「どうなってるの?」)

(「ばなしはあとうえからるわよ!」)


 スセリにねんでそうわれ、うえくと、てんまるしゃくじょうろしながらちかいてる。


「キェェェェイ!」


(きゃ!)


  ジャキャン


 しかし、てんまるからこうげきけたくないとつよかんがえると、てんまるこうげきさきほどおなように、きゅうじょうしろはんとうめいけっかいはばまれ、はじかれた。


「ならば、いまいち!」


 てんまるはそうってさいこうげきをしようとするが、こんこうげきはスセリにかわされる。


(「、もっとしんちなさい。けっかいやぶられないことかいしてるでしょ」)


 スセリがそうねんかたけるが、ねんかえす。


(「そんなことっても、こわいモノはこわい……」)

(「がんっててきて。ここでこうげきけたら、あのたちきょうところではい」)


(……)


 てきこうげきかわしてもらいながら、かんがえる。

 そして意を決したのか、てき姿すがたを自分で確認かくにんし始めた。



  ★★★★



 ようほくたい耀よう臣器おみきなかで、かぜまるおにまるてんまるこうせんしている、姿すがたていた。


「おい。もしかしてかよ……」


 ようつうしんのうしにそううと、ほくつづけてう。


ぶん……」


(どうしてが……)


 たい耀ようがそんなことかんがえていると、さんにんにスセリからのねんる。


(「貴女あなたたちなにをしているの。このままだとたいりょくちませんよ」)

(「そんなことっても…… 身体からだうごかないんだ!」)


 ほくすこちからつよくそうかえすと、スセリはおこった調ちょうもんう。


(「さんにんともてんまるちから身体からだうごかないのは、ぶん貴方あなたたちちの所為せい。そんなことまもるなんてえたわね」)


かってるよ、そんなこと!」


 ようがスセリにそう文句もんくかえすとどうに、リュウジャマルうごきをめていたやいばの1つがしょうめつする。

 それをていたたい耀ようは、あること気付きづく。


(もしかして……)


 たい耀ようずかしさをこらえ、まわりのにんげんすべてにこえんばかりのおおごえう。


ぼく彼奴あいつこわい! こわい! こわい! こわい……」

「おい、たい耀よう?」

たい耀ようくん?」


 おどろいてつうしんのうしにそうったようほく他所よそに、たい耀ようさらつづける。


「それでも……、なにもしないよりマシだ! べ、ホウオウマル!」


 すると、ホウオウマルうごきをめていたひかりのやいばり……

 ホウオウマルそらへとしょうした。


(やった!)


 そうこころなかおもったたいようは、ホウオウマルめいれいをする。


ホウオウマル、そのままあのてんめ!」


 だがそのこうげきてんまるかわす。


「ほう……、きょうみずからのことはらうとは」


 てんまるがそうっているあいだに、ホウオウマルごうりゅうした。


「スセリ! ぼくそうしょうじょけっかいまもってくれ、かんがえがる」


 たい耀ようがスセリにけてそううと、つづけてう。


「おねがいスセリ。わたしホウオウマルまもって」


 こえともに、ホウオウマルおおう、はんとうめいしろっぽいきゅうじょうけっかいせいせいされた。


如何どうするつもり。いくらいまわたしでも、このけっかいながくはちませんよ」


 スセリがそううと、たい耀ようはスセリにかえす。


「スセリ、いま何所どこに?」

わたしはこのともに。くわしくはあとで」


 げんじょうようほくにもかいさせるため、スセリはそうたい耀ようおおごえへんをした。


かった。スセリ、ふたうごけるようにするつだってくれ」


 そうったたいように、おもったかえす。


つだうって、如何どうするの?」

いからててくれ!」


 たい耀ようがそういっぽうで、けっかいそとではかぜまるおにまる天狗丸てんぐまるが、けっかいこわそうと攻撃こうげきけていた。


  ガジャン

   ガン

    ガガン

     ガキョン


 そんななかたい耀ようようほくう。


ふたともいてくれ。身体からだうごかないのは彼奴あいつこわいからだ。べつことかんがえろ」


 しかし……


「そんなこととつぜんわれてもよ……」

こわいモノはこわいんだ」


 ようほくへんは、おおむたい耀ようかんがえていたモノとおなじ。

 だからこそ、たい耀ようはこのさくせんしんた。

 おもってるかんじょうとははんたいかんじょうつくり、おこりっぽく、オーバーリアクション気味ぎみたい耀ようう。


ふたとも、そんなことってるあいか! このままじゃみんなやられるかもれないんだぞ。ぼくたんだ、ふたないわけいだろう!」

「わぁてるよ、そんなこと! でも……」

かってるよ! でも……」


 ようほくも、どうたい耀ようにそうはんろんした。

 リュウジャマルロウオウマルさったひかりのやいばたい耀ようかくにんする。

 するとようほくこととはうらはらに、ひかりのやいばほんすうっている……

 が、すべてがえてはいない。


(やっぱり、ぼくだけじゃしがよわいか……)


 そうかんがえているたい耀ようとはべつに、たい耀ようことひかりのやいばえたのをていたスセリは、たい耀ようかんがえをかいし、ねんう。


(「ようほくに、いまほんとうちをつたえなさい」)

(「スセリ?」)


 スセリのことおもってがそうかえすと、スセリはおしえる。


(「おとこうごかすのはおんなことよ」)


 そしておもう。


(……れてるなら、尚更なおさらね)

(……)


 すこかんがえ、かためた。


「スセリ――」


 たい耀ようなにおうとするが、スセリはそのことさえぎってめる。


って!」


(?)


 たい耀ようことめたしゅんかんようほくかい、おおごえう。


ふたとも…… おねがい、たすけて!」


 ことあとしばらくしてリュウジャマルロウオウマルさっていた、のこりのひかりのやいばしょうめつした。


  ガキョン 

   バガン

    ジャギャン 

     ミシ ミシ


 それとどうに、スセリのけっかいかいされる。


  パッキャン


 そしてスセリとてんまるどうう。


「しまった、けっかいが!」

かぜまるおにまるしただ!」


 てんまることで、かぜまるおにまるみずからのしたけた。

 かぜまるしたからはリュウジャマルんでる。

 それとどうに、おにまるしたからは、きんぞくすいしょうじょうはしらりゅうおそってた。


  ズガシャン


 リュウジャマルめたかぜまるだったが、尻尾しっぽでグルグルきにされ、いちてきうごきをふうじられる。

 いっぽうおにまるほうは、りゅうぶつかるがるかわす……

 が、しきはじめのりゅうぶつっていたため、2つりゅうぶつはっけんおくれ、それにってぶんたかさにやってロウオウマル姿すがたにした。



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