臣器の名

 かおるへんあと中庭なかにわひかりのきゅうたいが3つあらわれる。

 そしてスセリはようほくたい耀ようかってう。


「それでは、貴方あなたたちおみあずけます。おみたちおのおの貴方あなたたちってるようなので、まえけてあげてください。そうすれば貴方あなたたちしもべとなるでしょう」


 われてほくはスセリにたずねる。


おみっておおかみへびとりやつだよね。まえってっても、姿すがたとかはあの姿すがたのままなの?」


 ほくにそうかれ、スセリは説明せつめい不足ふそくしていたことおもう。


かんじんことわすれるなんて…… ことすここんらんしているのかしら……)


 そしてほくせつめいをする。


「そのとおりです。ほくおおかみの、ようりゅうじゃの、たい耀よう大鳥おおとりまえけてください。それとめいめいまえめいめいしゃのそのときしん……イメージでおみわります」


 そこまでったスセリは、さらつづけてようたちう。


みんなまえかんがえて。まえおみそのもの、へんまえけるとちからよわまってしまうから」

まえつってもな……」


 ようがそういながらあたまかるひねっているので、スセリはオモイカネにかっておねがいをする。


御免ごめんなさいオモイカネ。すこかんがごとをしたいのだけど、まかせてもいかしら?」


 するとオモイカネはほほんでことかえす。


かまわない。貴女あなたげんじょうわたしわらんのだから、しんちゅうさっしているつもりだ」

がとうオモイカネ。まえまったらんで、んでくれればもどってくるから……」


 そういながらスセリは姿すがたし、それをていたようつぶやく。


如何どうしたんだスセリ?」


 するとオモイカネがようう。


ようよ、このじょうきょうがみしんぱいるとはごうことだな」

なんだよ!」

 

 ムッとしてすこあかり、ようがそうかえしたのでオモイカネはおもう。


かえせるならげんしょうか……)

「そうじゃけんにしないでくれ、わたしもスセリにああはったがあんなのだ。そうだおみまえあんいならわたし一緒いっしょかんがえてやってもいぞ」


 ほほんでおもいカネがそううと、ようはムッとしたままかえす。


なんかムカく…… なぁたい耀ようあんねぇか?」


 そうはなしをられたたい耀ようう。


「だったらまえたアニメにた、りゅうじんまるとかりゅうおうまるとかでいんじゃないか? スセリがりゅうじゃったんなら、りゅうには間違まちがいないだろうし」


 たい耀ようことに、オモイカネがあわててようねがいをする。


「すまない。てんしんおさたすけるおみまえに、そのまえけるのはめてくれ。ねがいだから」

なんだよ面倒めんどうくさいな……」


 文句もんくように、オモイカネはもうわけさそうにつづけてう。


ほんとうにすまない、ただしまえまるけるのはかんがえだとおもう。まるたまれいたましいつうずるモノ。ぜんかたまりたるおみには相応ふさわしいだろう」

「……そんじゃぁりゅうじゃまるだな、まえおもかねぇし。オモイカネ、もんは?」


 するとオモイカネはすこしぶかおこたえる。


「まぁスセリもるし、りゅうじゃならいだろう……」


 オモイカネのOKをけ、ようほくほういてほくく。


ほくはどうする?」

「ボクはめたよ」


 ほくようにそうかえすと、たい耀ようう。


のこりはぼくだけか……」


 そこまでってたい耀ようは、すこかんがえてからオモイカネにたずねる。


「オモイカネ、なにあんる?」

「そうだな…… まえのまま大鳥おおとりたいへいしょうちょうたるほうおうごうしょうちょうたるざくたいよう使つかいたるがらすあたりか?」


 オモイカネのことようう。


ざくほうおうってたしか、りゅうりんなかなんだっけ?」


 ようことすこおどろきながら、ようたい耀ようかっておりことつづける。


わったことってるねようりんになってちちおやにでもいたかい? それとたい耀ようほうおうほうおすおうめす。おまえまえてたアニメみたいにほのおとりじゃないからね」


 おりせつめいに、たい耀ようすこかんがえる。

 そしてう。


「……ぼくまえまった」


 たい耀ようがそうわると、オモイカネがようほくたい耀ようかって確認かくにんをする。


「それではスセリをぶぞ?」

「おう」

「うん」

「ああ」


 さんにんおのおのそうへんをしたので、オモイカネはこのいスセリにかってく。


「……いているかスセリ? あまかんっていないが、姿すがたあらわしてしい」


 するとそのことおうじてようたちまえに、さいスセリがとつぜん姿すがたあらわした。


 スセリはオモイカネにけてう。


にしないで」


 さらようほくたい耀ようと、ひかりきゅうたいかってことつづける。


まえまったようだし、おみまえけましょう」


 そしてけいやくはじまる。


ていあらわすもの、れこそ契約けいやくあかし。いまこそけもの姿すがたりてあるじまもらん。なんじらのは……」


 スセリのことともに、ひかりのきゅうたいはしらへとわる。


「さぁ、おみあらたなるを!」


 スセリのことわると、ようほくたい耀ようおみまえさけぶ。


リュウジャマル

ロウオウマル

ホウオウマル


 そのことこたえるように3ぼんひかりはしらは……


 リュウジャマルは、しろそうこうぜんちょう2メートル50センチほどの、みどりいろあしりゅうがたのロボットに。

 ロウオウマルは、オッドアイのくろそうこうつ、たいちょう1メートルほどおおかみがたのロボットに。

 ホウオウマルは、にじいろひかりのしろつばさつ、ぜんこう1メートルほどよくかんちょう2メートルほどしゅいろそうこうとりがたロボットに。


 ……そう、おみはロボットの姿すがたわった。

 正確せいかくには、けものがたのメカのよう姿すがたわったのだ。


 おみ姿すがたたオモイカネはおどろき、スセリにたずねる。


「……スセリよ。おみたち姿すがたはいったい!?」


 しかしスセリからのへんい。

 いや、ぜっしてかたまってしまい、こといのだ。



 ★★★★



 ようたちねむりにいてしばらくたったころおりにタケミナカタがたずねてる。

 じんつうりきけたその姿すがたは、うろこはだしょうねんではなく、うで健康けんこうてきうつくしいせいねん姿すがた


なんだい、ようじんだねぇ。オモイカネとかかみさまはちわせしたら、如何どうするだい?」


 ぶっきらぼうにそうこたえたおりに、タケミナカタはがおかえす。


あんしんしろ、それはククリさま如何どうにかしてくれている。それよりまどかからのでんごんだ、『まごたのむ』だとさ」


 それをいたおりにがわらいをしてう。


あいわらずおんなごころからないやつだよまったく…… オモイカネのこと彼奴あいつかねかい?」

はアラハバキのどくだんだ、眼鏡めがねのガキのねがいにはちょういだろうとさ。……さてこんしょうばいはなしだ、メモするものるか?」


 タケミナカタがそううと、おりすこかんがえてへんかえす。


「……ちょっとっとくれ」


 おりがると、ちかくのたんなかから、かおるっていたまどかちょうおなもの、それとえんぴつした。

 そしてタケミナカタのまえるちゃぶだいき、ちょうひらく。


いとくれ」


 そうったおりにタケミナカタはたずねる。


いのか? 仕舞しまってったっとことは、だいものなんだろう?」

にしないでおくれ」


 まよくそうかえしたおりに、タケミナカタはほほんでかえす。


「そうか……」


 そのへんあとおりちょうきょうぐん簡単かんたんく。

 タケミナカタは、おりが持って来たえんぴつじんつうりきうごかし、のあるしょに×しるしけた。


此処ここしばられば、源泉げんせんにブチたるだろう」


 そううタケミナカタにおりれいう。


「ありがとうよ」

「それではそろそろ、わたし退たいさんするか」


 タケミナカタのことを、おり不思議ふしぎおもたずねる。


なんだい、スセリにはあいさつしにかないのかい?」


 おりことに、タケミナカタはすここまったかおをしてかえす。


わたしは、あのかたにがでね」


 するとに……


「あら、そうだったの?」


 タケミナカタのうしろからスセリのこえがした。

 おどろいたタケミナカタがはんしゃてきくと、あんじょうそこにはスセリがってる。


「スセリさま!」


 おどろいてそうったタケミナカタに、スセリはすこおこった調ちょうう。

 しかもかおがおで。


「さて、せつめいしてもらいましょうか?」

なんことです?」


 タケミナカタはとぼけたようでそううが、スセリはつよ調ちょうかえす。


貴方あなたあとせつめいするとったのですよ。さいしょけいかくでは貴方あなたかかわらないとったはず


 そうわったスセリはすこき、かなしそうなかおをしながらはなしをつづける。


「……貴方あなたははおやがね? それとも……――」


 そのようたタケミナカタはスセリのことさえぎり、真剣しんけんかおでスセリにう。


「――……このけんについてはははうえかんけいりません。さいしょからこうけいかくだったのです」

如何どうことです?」


 スセリヒメがそうくと、タケミナカタはつづける。


貴女あなたわたしけいかくくわわることれば、いまようかおちちうえ祖父じいさままえでしたでしょう。ちちうえ祖父じいさまもそのかおたくはなかったのです。それになんだかんだって貴方あなたは、ちちうえ祖父じいさまけいかくまっとうしてくれる。ちちうえはそうっておられましたよ」

「それはしんらいしてくれているのかしら……」


 そうあんがるスセリに、タケミナカタはほほんでう。


もっとしんらいしていらっしゃるから、このけいかくれたのでしょう。如何どうでもければははうえや、むなかたすいじんたちたのんでいたはずですし」


 そうわれたスセリのかおあかるさをもどす。


「そう…… ですか」


 スセリはそうへんかえした。

 そしてすこいて、タケミナカタにく。


「……それはそうと貴方あなたしんは、何故なぜわたしことにがなのかしら?」


 そうってすこほほんだスセリに、タケミナカタはすこめんどうくさそうなかおをしてへんをする。


「それについてはかんべんしてください……」

「まぁ貴方あなたきらわれてことわかっただけでも、このけいかくくわわった甲斐かいがあったわね」


 スセリはそうってクスクスわらい、それをてタケミナカタはにがわらいをした。

 そんなしんおりう。


ふたともわたし明日あしたそなえてるよ。じまたのめるかい?」

わたしたちすでひとではいが」


 ちょうり、ろうとしたおりにタケミナカタはそうもんった。


「アンタていると、かみさまだってことわすれちまうんだよ」


 おりはタケミナカタにそうかえすと、スセリがおりたずねる。


「そうえば、あしたてい如何どうするの?」

「そうさね。11ころにでもしようか」



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