夏は虫
夏は川だと 楽し気に
いいえ虫よと 得意気に
なにもかもをかき消して
けたたましくも燃えている
蝉の背中に乗ったなら
負けて酔ってしまうかしらと
浮かぶ汗を喜ぶの
照らしてくれる陽の光に
もう少し と わがままを
今日の終わりはまだいいの
明日の始まりは知らないのだから
そう思うのは君だけと
残念 あなたは違うのね
ケンカになる前の差し水に
伝う涙を隠されて
恨めし気に曇天を
睨むと影は私だけ
通り過ぎる水の音
鳴き止みもしない喧騒に
明日を破り捨てたくなるの
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