第2話 輪廻転生

 輪廻転生と言うものがある。

何のためにあるかは問うまい。

 前世の記憶がある、魂のつながりがある、等々記述されているが、哀しみに対する救済、傲慢に対する罰のように見える。しかし、矛盾や誤解をおそれずに言うなら、それを理解しつくすこと、言葉でうまく表すことは難しい。

 物語がある、テーマがあるように見える。今はただそのまま語ればいい。 

  

 ここにひとつの魂がある、記憶のかたまり、同一性を主観的に担保するものである。

 彼は一つの生で哀しみのうちに終わりを迎えた。

 別の世界には、魔物に怯えながらも逞しく生を全うするもの達がいた。

 

 両者は偶然なのか必然なのか、出会う。彼は前世の記憶を持ったまま、新しく生まれる。

 世界は彼に、彼は世界にどのように関わって行くのだろうか。

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