第五話 〜その後どうなったのか…それはコレを読み終えた、読み手によって変わるものだ〜

僕は多くの恐れを集めて世界を〝管理〟する恐れられる神〝恐神おそれがみ〟である

ちなみに〝神様〟としてはとても若い部類だ!

何故かって?それは僕がとても優秀だからだよ


僕はなんと一回の生で多くの徳を積んで〝神〟となったんだ!

そして〝神仏〟としても優秀だった僕は、またまた一回の〝神仏〟の生で多くの徳を得てね

すぐに僕は〝神様〟の資格を得たわけだよ!すごいだろ?

まぁそれで〝世界創造〟を可能な地位になった訳だが…


それから永遠の時の中、僕はひたすらに世界の〝始まりと終わり〟を見届けてきた

まぁ暇だったよ繰り返される〝世界〟の流れは

そんな僕の世界に初めて〝神様〟となる存在が生まれたんだ!

彼女はとても怠け者でねぇ、〝神様〟になったのに案の定怠けて〝世界が偏った〟方向になっていったんだ

それをどうにかしようと慌てて〝逆に〟世界の崩壊なんて招いて…本当にどうしようもないよね!


そんな彼女はその後、その崩壊する世界の一人と〝言質による縛り契約〟を結んだようでね

いわゆる〝神様の掟〟である

〝其の一、神様が口にした約束は絶対に遵守されなくてはならない

其の二、さもなければ神様は己の地位と徳を全て失い、魂の一片すら残らず消滅する事になる

其の三、故に、言質を持って縛られた契約による願いを聞き届けるまで、叶え終えるまでは己が信念を賭してその者に尽くさなくてはならない〟

と言う内容のルールでね

どうやら彼女はそれを結んだらしい

もちろん結んだ少年の方は、そんな事知らないから偶然だろうけどね!笑えるクスス




まぁその〝言質による縛り契約〟をして、あれから無限とも言えるほど、もはや数すら数えられないであろう時間が過ぎたんだよね…

十の冪乗(べきじょう)[無量大数]…

うむ、無理に表すならば

(10^無量大数)^無量大数…それを無量大数繰り返した上で無量大数をかけた数?だろうか…

ピンとこない規模だろ?


で、そんな二人の…彼女と少年の運命が今終わろうとしてる

何故か…それは少年が諦めたからだよ

しかしコレはまずいよ…言質による縛り契約

それがあるから、少年の最後の願いを叶えれば彼女も消える運命な訳だ…しかし彼女はそれを少年にはなぜか打ち明けなかった…おかしな奴だよね?自分の存在が消えるって言うのに…


そして彼女は泣きながらも少年の望み通り、自分自身が消えると分かっていながら、最後に無限の地獄といった少年の転生を終わらせた…

そして案の定、彼女自身は崩壊していく…彼女自身の生み出した全ての世界を道連れに…


コレって誰も救われない話なんだよね…されどこの悲しみに救いを僕は一つだけ与えたいと思ってしまったんだよ…だから

少年と彼女の〝魂〟が消滅する前に伏して我が創造主に願います…どうか彼らをお救い下さい

そう僕は〝僕ら神の頂点〟に願ったんだ…そしたらね


??「神様の一人よ、よいかことわりは絶対覆らぬのだ…

しかし彼女らと汝自身の思いはあいわかった

その苦悩の日々も理解した…だから今回だけは特例として少年の〝魂〟を助けた上で〝神様〟になるまで見守り、担当だった神様である彼女の〝魂〟は少年が〝神様〟になった際にその〝言質による縛り契約〟を我が名において〝白紙〟とし復活させる事を約束しよう」


そう返事が返ってきて、崩壊していく〝神様〟の〝魂〟を掬い上げたんだよ!

驚いたよね…まさか叶えてくれるなんてさ!

だから僕はそんな〝我が創造種〟に対して


恐神「ありがとうございます!」


って柄にもなく深々と頭を下げてお礼を言ったんだよ!

そしたら、そんな事を僕がしたことすら無かったからだろうね

神様になったのにこの僕、恐れられる神たる恐神おそれがみの補佐役になりたいと言い出した変わり者の堕神さんがね


〝うぁぁ〟

〝バサバサバサ〟


そうやって騒々しい声と共に、あたり一面に広がる資料の山を築いた…いやまぁコレは…いつもの光景だったな、仕方が無い


恐神「またですか…はぁ

この子は全く!いつになったら理解するんですか?」


堕神「ひぃぃ!す、すみませ〜ん恐神おそれがみさま〜

怖いのでそんなカリカリ怒らないで下さ〜い」


恐神「はぁ本当に全くいつもいつも!

そう思うなら仕事を増やさない努力をしなさい

本当に全くこの駄目な補佐役は…」


まぁそう言いながらも僕の口元は、自然とニッコリ幸せそうな笑顔を浮かべていた

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始まらない転生ライフ 紳羅 @shinra08

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