解答と解説「自転車の鍵を買う男」
【答】
買い物の際に男が鍵を店員に渡していたため。
【説】
この問題のポイントは『鍵』という言葉の多様さにあります。
この日、樹一は徒歩でホームセンターに行って自転車の『鍵』を買いました。その理由は『キーホルダーごと鍵を
しかし、迷惑行為をしていた男はそうではありません。
なぜなら男は新しい鍵(錠)を購入した際に『鈴の付いた鍵』を店員に渡しています。この場合の鈴とは樹一のキーホルダーと同じ小さな物であるのは言うまでもなく、男が渡したのは『錠』ではなく『鍵』であるのもまた言うまでもありません。
通常、自転車の鍵(錠)を買い替えるのには何らかの理由があり、その殆どが樹一の様に『鍵を失くして錠が開けられない』というものですが、男は『鍵のみを処分』しています。
鍵があるならば錠を開けられますし、錠が壊れたならば鍵のみを処分するのは不自然ですよね?
この事から樹一は訝しさを感じたのです。
筆者の身近には『鍵』という言葉を『錠』という意味を含んだ言葉として用い、例えそれが『錠』を指す場合であっても『鍵』という言葉のみを日常的に用いている方しかいません。
恐らく、皆さんの身近でも鍵の形状を問わず大多数の人が錠を閉じることを「鍵を掛ける」と言うのではないでしょうか?
それにしても、この迷惑男は律儀というか大胆というか、妙な性質ですよね。
他人の自転車に付けっぱなしになっていたと思われる鍵を抜き、新しい鍵を購入して勝手にガードレールに固定するという迷惑行為をしただけでなく、抜いてきたその鍵をホームセンターの店員に渡して処分を頼むのですからね。
筆者もよく自転車に乗りますが、付けっぱなしになっている鍵をその辺に投げ捨てる様なクソヤロウの出没は何例か耳にしたことがあるものの、わざわざ持ち歩く様な奴は聞いたことがありません。
何れにしても自転車の盗難や意図的な紛失による迷惑行為などのリスクを回避するために鍵はちゃんと掛けましょう。
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