何もない日々(性描写有)

 アソコをお兄ちゃんに見せた日。


 それ以来、何かが変わるかもと思っていた……。


 でも現実は、怖い位、何も変わらなかった……。


 あの日だって、私は本当に、ほんっとぉ~に、顔から火か出る位恥ずかしかったのに、お兄ちゃんは「へ~、こうなってるのか……何か赤貝みたいだなっ!」とか言っちゃって。

 触らないって言ったのに乱暴に開いてくるし、指を突っ込もうとするし(流石に全力で阻止した)、私がこんなに恥ずかしい事をしたのに何時もの様にあっさりと「おうっ、ありがとなっ! これで恥をかかないで済むぜっ!」なんて……


 妹の私に、こんなに恥をかかせたのにっ!


 私はあの時……お兄ちゃんに……初めてを奪われても仕方ないとか、思ったのに……。


 それとも、私が意識し過ぎてるだけ?

 兄妹って、こんな簡単に、アソコを見たり見られたりするものなの?


 悶々としている私に友達が心配そうに話しかけてくる。そういえばこの娘は私と同じく兄がいた筈……。

 「ねぇ……お兄ちゃんに「アソコ」見られた事ある?」

 「ちょ、ちょっといきなり何言ってるの? ……そんなの許したら、兄妹だからって犯罪なんだからねっ! ……ってまさか……お兄ちゃんに見られたとか?」

 「う、ううん? だ、大体私ひとりっ子だしっ!」


 ……そう、改めて考えなくても、私と彼は……実の兄妹でもないし、義理の兄妹でもない。

 勿論お兄ちゃんなんて言ってるのも私からだし、今も兄妹の様な関係だとは思ってる……。


 でも、でもね……私たちは……「他人」なんだよ……。

 それとも私って……本当に妹としてしか、見られていないの?


 お兄ちゃんにとって、私って、女じゃないの?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る