第33話

【転送を使用するためにはマップの開放が必要です】

【マップの開放には14372の魂が必要です】


「はぁ!?」

「どうされたのです?」


「いや、この部屋を使うためにはさらに魂が必要なようです」

「魂が?」


「はい……」

マップの開放?

このデカイ台座はまさかマップになるのか?


「あの、もし地図があれば有用ですか?」

「地図というのはどちらのでしょう?」


「いや、わかりません。このあたり一帯なのか、それともどこか別の?」

「そうですね……ゲート周辺は人間が住めませんから、未開の地です。

 最近ゲートが発生した場所はある程度の地理が知られているでしょうが、昔からゲートがあった場所の地図はかなり機長になると思います。

 しかし、どこの地図か分からなければ……」


「ですよね。場所のわからない地図の価値を聞かれても困りますよね」

「い、いえ……そんなことは」

フェリスさんがフォローしてくれる。


しかし結構な魂を持っていかれるぞ。

今29077だから、半分以上は消費してしまうわけだ。


しかし、この部屋だけあってもな。

使ってしまおう。


俺は台座をタップし、マップを解放する。


すると音もなく中央の台座が光り出す。


「おぉ……」

「これは……」

まさしくマップだ。


「地図、ですね」

「す、すごいです……まるで実物を縮小したようです!!」


「そうですか?」

「こんな精巧なものを見たことがありません」

そうか。

スマホの地図機能で航空写真を使うこともあったからな。

それに慣れてしまっていた。

この世界にこんな航空写真のような地図はないのだろう。


「しかし、この地図ほとんど見ることができませんね」

中央の遺跡からいくつか線状に道が伸びており、その部分は俯瞰して見ることができる。

だが、そのほかは黒くなっており見えない。

「これは……もしかしたら、勇者様が通ったところでは?」


「あ、確かに!!」

そうだ。

なるほど、そういうことか。

通ったところのみマップが解放されるのか。


「てことは、シドル村ってあっちの方ですよね」

2m四方あるマップだが、それでも途切れている。

これってスクロールできる?

あ、できた。

「す、すごい……」

フェリスさんは台座がスクロールできることに驚いている。

驚いた表情もなかなか可愛らしい。


俺はマップをスクロールし、シドル村を表示させる。

「これは……」

シドル村が青く点滅している。

俺は点滅をタップする。


シドル村 単体転移 100 全兵力転移 1000 帰還魔法陣 1000


「どうやらシドル村まで一気に移動できるようです」

「そ、そのようなことが?」


「使ってみないとなんとも言えないのですが、魂兵も含めで全員で移動できると思います。

 それと帰還も」

「そんな魔法は聞いたことがありません……」

あくまでも項目からの予想なんだよな。

言葉通りに受け取ると、そういうことだろうとは思うのだが。


「ただ、転移には魂が必要ですね」

「だとしても、相当有用だと思います」

だよな。


「試したいですが、今は転移の必要がありませんね」

「そうかもしれません。我々がここから消えれば、メージスに追われることになります」

それに今魂兵は7体だけだからな。

ゲート破壊を考えた場合、正直メージスの兵士を利用した方が効率がいい。

移動時間のカットは大きいが、俺がここからいなくなれば、メージスに追われることにもなるだろう。


「しかし、いずれ試しておいた方が良さそうですね」

「そうですね」

何か制限がある可能性も考えておくべきだな。

例えば、一度転移すると、数十時間のクールタイムが必要だとか。

最悪なのは、一回転移した場合、もうその場所に転移はできないってパターンだ。

どちらにしろ試してみないとなんとも言えないな。


そして残りの魂は14705だ。

あとは強化だな。


肉体強化 LV26 : 6000

剣技 Lv5 : 5000


これでまた強くなった。

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