第11話 ★

「た、体液!?」

思わず大きな声を出してしまった。

俺は魂部屋作成室を出て、フェリスさんに聞いてみることにする。


「あの……」

「……………………」

フェリスさんは、下を向き、耳まで真っ赤にしている。

これ、知ってたな。


「フェリスさんは、魂兵作成の方法をご存知だったんですか?」

「はい……」

やっぱりね。

毎回魂兵の話になるとモジモジしていたのはこのせいか。


「あの、魂兵の作成には、俺の体液が必要なんですよ」

「はい……」


「で、エルフの協力も必要みたいなんです」

「はい……」


「てことは……」

「はい……」

ごくり……

俺は生唾を飲み込む。


フェリスさんは、フードを取る。


!!


美しい金髪がふわりと広がる。

整った顔立ちの美少女が突如として現れる。

大きな瞳は目尻がやや上がっており、尖った耳まで真っ赤に恥ずかしそうにする。


「え!?」

ちょっと待て。

なんかおかしいぞ。


「あれ? 何で今まで顔がはっきりしなかったんでしょう?」

「このローブには、認識阻害の効果があります」


「なるほど……どうりで……」

確かにエルフの女性がいることはわかっていたのだが、今まではあまり意識することがなかった。

そりゃ、密室でこんな美少女が一緒なら、もっと落ち着かなかったよな。

いろいろなことがありすぎたから、そのせいで意識できなかったと思っていたが、単純に認識阻害の効果だったわけか。


「あの、ぶっちゃけイヤラシイことすると思うんですけど」

「……………………」

フェリスさんは黙って頷く。


「そ、それじゃこっちに」

俺はフェリスさんと共に魂兵作成室に入る。


中央には、魔法陣が光っている。


「いや、でもちょっと待てよ……」

おかしい。

おかしいだろ。


「俺の体液が必要……エルフの協力も必要……」

「はい……」


「でも、俺……フェリスさんに触ると死ぬんですよね?」

「は、はい……」


「え? イヤラシイこと? 無理じゃないですか?」

「え!?」

フェリスさんは、ハッとしたように顔をあげる。

彼女も今気づいたんだろうか。

驚いた顔も可愛らしい。


「あの……多分ですが、あの魔法陣に勇者様の体液を……その、そうすれば魂兵ができるのではないかと」

「いや、でもそれって、結局一人で?」


「えっと……こ、これでどうでしょう?」


パサ……


!!


彼女はローブを脱ぐと、中に着込んでいたスカートをたくし上げる。


「な、なるほど……」


目の前には、純白のパンツがある。

こ、これは神々しい……


フェリスさんは顔を横に背け、恥ずかしそうにしている。

片手でスカートをたくし上げたまま、もう片方の手で顔を覆っている。

しかし、これを見て、自分でしろってことだよな。

こっちはこっちで恥ずかしいんだが……


「こ、これで良いでしょうか」

「いや、ダメです。顔は隠さないでください」

せっかくの美しい顔を隠されては、魅力が下がってしまう。

俺は顔も見たいのだ!!


「え……でも……」

彼女は顔を手で覆ったままだ。

「ダメです」

ここは俺も引かない。

絶対に引いてはならないのだ。


「わかりました……」

少女を顔を覆っていた手をどけ、ぎゅっと握りしめる。

特徴的な尖った耳、エルフの耳の先まで顔を真っ赤にし、目を伏せる。


「あの、ちょっとこっち見てくれません?」

俺は彼女の目をまっすぐ見たまま言う。

「えぇ!?」

彼女は相変わらず顔を真っ赤にしたまま、少し大きな声を出す。


「むりむりむり!! 無理です!!」

しかし、彼女は俺に目を合わせてくれない。

「なんで?」


「な、なんでって恥ずかしいじゃないですか!?」

彼女は目を逸らしたまま言う。

「いやだって、さっき協力してくれるって言ったじゃないですか」

俺だって彼女に協力しているだけだ。

決してやましい気持ちなど……がっつりあるな……


「だけど……」

「さ、早く!」


「うぅ……」

彼女は観念したように、俺と目を合わせる。

美しく整った顔。

彼女のおおきな目は猫目というのだろうか、少しだけ釣り上がっている。

その猫目が、恥ずかしさのあまり潤んでいる。

そして、俺と彼女の見つめ合う間には、大きな膨らみがある。

「おぉ……素晴らしい……」

俺は彼女と目を合わせた後、再びスカートの中を見る。


「……………………」

「……………………」


お互い無言になる。


これはたまらん……

フェリスさんが恥ずかしそうにしているのが、また俺をそそる。

そうか!?

こ、これが俺の性癖!!


【解放条件が満たされました】

【パンツ】


「ん?」

俺の目覚めと共に、台座が光出す。

なんだ?

今いいところだから、あとで確認しよう。


俺は自らの手でことを納めようとする。


「あ! あの魔法陣を狙ってください!!」

「わかってます!!」

せめて目の前のパンツに意識を集中させてくれよ。


俺は魔法陣へ向かってフィニッシュする。

魔法陣へ向かってだすと、魔法陣が光を放つ。


「出ます! 最初の兵士です!」


魔法陣から1mくらい戦士が出現する。

ハニワのような顔だ。

「こいつ?」

「はい!」


「ホ?」

ハニワ兵士は間抜けな声を出す。

「えっと……これが、魂兵?」

「はい!」


弱そうだな……

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