KAC20242 新卒君は、もう終わった?住宅の内覧は、日本の病気。春のミステリー!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 この内覧の話を読んで、どう思う?やばすぎる「住宅の内覧」リアル、はじまる!

 日本の春には、いやらしい「住宅の内覧」魔法がかけられている。

「住宅」は、「会社」と呼ばれている建物のことね。

「面接」という「内覧魔法」が、唱えられた!

「さあ、最終面接です。皆さん学生は、お強いのですね」

「面接官様?それ…」

「今の言い方…」

「ちょっと、エロい系?」

「…く。弊社を志望された理由をお聞かせください」

「はい、面接官様!世界に1つだけの花を、咲かせられそうだからです!」

「オンリーワンで!」

「ナンバーワンとか、無駄」

「…」

「コスパ良く、タイパ良く!」

「ゆ×りの花!さ×りの花!」

「ゲッツ!」

「…う。困りましたね」

「あ!面接官様が、困ってらっしゃる」

「これは、キテレツなり!」

「コロコロ助なり!」

「ははは…。学生諸君のそういうパワーは、好きですよ」

「何ですと!」

「僕たちも、大好きです」

「お母さん、お父さん、大好き!」

「じいじ!」

「ばあば!」

「僕たち新卒は、元気大好き」

「元気があれば、何でもできる」

「ピザも焼ける」

「面接官様!ピザと、10回…」

「…あの、学生の皆さん?皆さんは、入社後、どう働きたいと考えていますか?」

「…は?」

「…?」

「会社に入ったら、働かなければならないんですか?」

「…あのう」

「何でしょう、面接官様!」

「受けて立ちましょう!」

「ひひひ…あはははは!」

「その、受けるじゃないだろ」

「そーりー」

「その…。皆さんから見て、今の日本はどう感じられますか?」

「春になって、あたたかい」

「お姉さんが、よりまぶしい」

「レベル100っすね」

「…」

「さあ、面接官様!僕たち新卒の学生を採用しないと、会社版、住宅の内覧が無駄になってしまいますよ?」

「今は、人材不足」

「そうそ」

「…わかりました。内定、出しましょう」

「勝った!どうせ合格」

そうして、今。

春だ。

ポケーっと生きていても楽勝世代の学生が、日本の各地にある会社にやってくる。

「おはよう、新入社員君?」

「いや。そういうの、いらないんで」

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