第055話 新しい関係

 今日も学校が終わった後、僕の家に二人で集まってゲームをする。


「あぁ~!! 美遊、それは止めろ!!」

「いやでーす。ヒロのざーこ」


 僕は遠慮なく悪態をつき、美遊は僕を見下すような顔で言い返す。


 正体を知ったあの日から僕たちの関係は変わった。


 いや、中学時代に戻ったに近い。


 でも、それだけじゃない。


「ふぅ~、少し疲れたな」

「休憩しよっか」

「そうだな。飲み物とってくるよ」

「うん」


 僕が飲み物を取りに立つと、美遊はテーブルに突っ伏す。


「はい」

「ありがと」


 テーブルにコップを置くと、突っ伏したまま僕の方に顔を向ける。


 ――ドクンッ


 そのポーズ……はぁああああああああっ、可愛すぎだろ!!


 中学時代は全く感じなかったけど、美遊の行動一つ一つにドキドキしてしまう。


 僕はそんな気持ちを隠しながらソファに腰を下ろした。美遊も体を起こしてコップを持って僕の隣に座り直してジュースを飲む。


 その距離は中学時代よりもさらに体一つ分近い。それはもうほとんど零距離だ。


 気心が知れていて素で居られるけど、それでいてめちゃくちゃ可愛くてドキドキする。


 そんな女の子が僕の隣にいる。


「「あっ」」


 故意なのか、無意識なのか、お互いの手が重なって声も重なる。


「「ご、ごめん……」」


 そして、動きまでもがシンクロする。


「「ぷっ……あははははっ」」


 流石にここまで同じ行動が続くと、お互いに顔を見合わせて噴き出してしまった。


 ドギマギしていた雰囲気が一気に霧散する。


「私たちってバカみたいだね」

「そうだな。あっ、せっかくだから出前でも頼むか?」

「賛成」


 今はお互いにこれ以上踏み込まない。焦る必要はない。


 話を変えて夕食の話をする。


「何が良い?」

「そうだねぇ、やっぱりマヨコーンピザに炭酸飲料かな!!」

「言うと思った」

「ヒロだって同じ答え言うでしょ?」

「まぁね」


 お互いに趣味嗜好が似通っているから、相手の言いたいことが大体わかる。


 ここまで似ている人は美遊をおいて他に居ない。


 それがお互いの心地よさにつながっているんだと思う。


 心の奥底ではきっと今よりも先の関係を望んでいる。


 でも今はこの関係が心地良かった。


 だって、世界一可愛く成長したヲタ友と遊ぶのって最高に楽しいから!!


 これから僕たちの関係がどうなっていくかは分からない。


 少なくともうしばらくは今の関係を続けていきたいと思う。




 ■■■


 これにて完結となります。


 もしよろしけば、ページの下の方にある☆☆☆を★★★にしていただけますと泣いて喜びます。


 また別作品でお会いしましょう。

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学校一可愛くて、推しにそっくりなクラスメイトが、なぜか僕を毎日落としに来る ミポリオン @miporion

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