第3話 踊る少女
「今夜から出発して待ち伏せする? それともバレない様につけて行く?」
「今日帰ってきたばかりならどうせ数日はダンジョンに行かない。ならつけて行くだけでいいだろう」
「了解」
僕とエリーは一度二人で借りている家へと帰ってきて【
「あ、ホープさんおかえりなさい。それにエリーさんも」
「アイリちゃんただいま」
「起きたか。パンを買って来たが食べられるか?」
「その、あまり手持ちがないので……」
「気にするな、これでも私たちはBランク冒険者だ。Eランクのルーキーから金を取ったりしない」
「そうそう、ほらここに座って一緒に食べよう」
「ありがとうございます」
僕はアイリちゃんを隣の席に誘導する。彼女は少しだけ頬を染めながら座りパンを齧りだす。
「ねえアイリちゃん、少しいいかい?」
僕の言葉に大人しく頷くアイリちゃん。
「実は数日中に僕たちはまたダンジョンに行くことになったんだ。と言っても2、3日で帰ってくる予定なんだけど、その間どうする?」
「え……えっと、これ以上お二人にご迷惑をおかけするわけにはいきませんので、今日中に出ていきます」
「手持ちがないのだろう? 当てもなさそうだし私たちがいない間ここを使っていても構わないぞ」
「ですが……」
「エリーがいいって言ってるし気にしなくて大丈夫だよ。それにそっちの方が僕も安心だからね」
「じゃあ、その、お願いします」
彼女の頭に手を乗せ「いい子だね」と言いながら撫でると少し不満そうにしながらも可愛らしい反応を見せてくれる。
「私は先に休ませてもらう」
「わかった、お休み」「おやすみなさい」
エリーはアイリちゃんに気を使ったのか、それとも魔石を使って楽しむためか、早くに部屋へと戻っていった。多分、いや絶対後者だな。
「もう一人でも大丈夫?」
「その、一人はまだ寂しいので……」
「そっか、じゃあ今夜も一緒に寝ようか」
「はぃ……」
◇ ◇ ◇ ◇
まだまだ熟れるには程遠い果実。触れれば張りがあり、口に含めば瑞々しい。
収穫される前の果実を摘み取り、自分の物にしたのだという達成感。
男は自身の上で淫らに踊る少女を見ながら思う。
もういいか、と。ダンジョンから帰ったら売るか捨てるか、それとも魔法剣士のガキの下へ送るか、と。
幼馴染を失い、優しくされ、心を開き、信頼し、そして好きになってしまった男に裏切られたとき、彼女はどんな顔をし、どんな反応をするのだろう。
すでにそれだけしか考えていない。
最後まで優しく、ゆっくりとドロドロに甘やかしながら、逃げる事が出来ないように奥へ奥へと楔を打ち付ける。白い悪意で染め上げるために。
「アイリちゃん、愛しているよ」
偽りの愛を刷り込まれた、幸せで哀れな少女は締め付け、そして受け入れるのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
2日後、アイリちゃんを抱き潰し、動かなくなったのでシャワーを浴びていると僕の影から一匹の黒い狼が現れる。エリーの従魔、シャドーウルフのベンだ。
「ベンどうしたの?」
ベンから咥えていたものを受け取ると、エリーからの伝言だった。
「なるほど、【
「ワフ!」
僕の言葉に一つ返事をするとシャドーウルフであるベンは影の中へと消えていった。
「便利だよなぁ、影から影へ一瞬で移動って。しかも荷物も影に入れる事が出来るし、いつも思うけど僕もシャドーウルフ欲しいなぁ」
動かなくなったアイリちゃんを起こして……は時間なさそうだし書置きとお金を幾らか置いて行こう。
さて、無実の罪の【
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