最終日

第25話 門

 朝起きるといつもに比べて静かだった。

 世界が変ってしまってから、朝はゴブリンやコボルトの鳴き声で五月蠅かったのに。

 だが、今日に限って何故か静かだった。

 まるで今までの全てが夢であったのかの様に。

 だが、外を見てみるとそこは半ば荒廃し始めている路があるのみだった。

 どうやらゴブリンやコボルトは姿を消したようだが、今まで起こったことは夢ではないようだった。

 私は身支度を調えるとこの異変を探るべく外に出掛けた。

 外に出るとやはり今までの五月蠅さがないというのが異様に映る。

 私が殺して放置していたゴブリンもコボルトも存在していないのだから。

 その替わりなのかどうか解らないが、空間中の魔力の量が増大しているようだった。

 暫く歩いていると巨大な門を発見した。

 思えばこれが全ての始まりだったのだろう。

 世の中にゴブリン等が現れ魔法という存在があふれていたのは切欠でしかなかったのだ。

 私は門の正体を確かめる為に慎重に近づいていった。

 門には扉が存在せず、黒い闇がそこに湛えられているだけだった。

 私がそんな門を眺めていると門へと徐々に引き寄せられていることに気付く。

 私は急ぎ門から離れようとするも、門の吸引力は時間を経る毎に増大していき、私は対抗しきれなくなってしまった。

 その結果私は門の闇に飲まれてしまったのだ。


 私は闇の中を漂っていた。

 それと同時に今まで手に入れたこのない魔法と、その魔法を使う為の知識が流れ込んできた。

 それは光魔法と闇魔法だった。

 力と知識が濁流の如く私の中に注がれる中で私は意識を失ってしまった。


 気がつくとそこは身知らぬ場所だった。

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世界は変わってしまった。 Uzin @Uzin

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