009 謎の伝染病1

 獣人たちが持ってきた伝染病。人の心を誑かすには簡単な言葉だった。


その証拠とばかりに、人間だけが重篤化し、獣人達は軽い症状で済む。


ということは、この街の人間全てが居なくなれば、獣人がそっくりそのまま住むことができる。



マリィーヌは比較的獣人に優しい土地とはいえ、差別がないわけではなかった。


「獣人が不満を持たないはずはない」


恐怖でおびえた人間は、伝染病への不安を罪もない獣人へ向けた。




 一方で獣人も、自分たちも軽いとはいえ伝染病に苦しんでいるのに、十分な食料と医薬品が回ってこない。利用するだけ利用して、締め出す体制に不満に感じていた。


原因不明の伝染病、うつ手が無いまま増える患者。苦しむ子供たち。

身体の弱いものから、倒れていく。


じわじわと広がる不安。


小競り合いが大きな衝突になるのは時間の問題だった。




その時、その危機を救ったのが、ルチル様のいる公爵家だった。

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縁を結ばないのもご縁です〜八方美人をやめた異世界ライフ 迦楼羅 @Uniuni04

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