〜50〜陽炎、異世界へ行く。

「ここは? どこだ?」



そんな言葉を口にし、起き上がる。

周りには白いローブを纏った人達が「勇者様だ」「神はこのお方を使わしてくれたのだ」

と喋っていた。


なぜだ、なんでここにいるんだ?

光司さんからこのアースという世界に飛ばされた。

はず。


ここはローマっぽい神殿のようだが日本のような技術も感じられる。

神殿のステンドグラスには組み木の技術。


下の白い石も亀の甲羅を模したあの形。

名前なんだっけ?


そんなことよりもここはどこだ?

って言うのが重要な気がする。

情報は武器って言うもんね。



「えーっと、ここは?」

そう言うと、豪華なマントに華やかな宝石の数々を付けた人が奥から現れる。


いちいち歩き方や、仕草が多少の威厳を感じる、かなぁ?


少し、いや。

結構お腹周りがふくよか。

それよりも上の太ってるという表現が正しい。(そんなこと言って委員会)

ここでは権力者の類だろうか?


まぁそうとしか言えないが……。


「勇者様、よくぞ参られました!! ここはレインドリアですぞ!雨の国としてこの関東に住んでいますぞ!!」

「関東? ここは日本なの?」


「はぁ、一応そうですが……なぜそれを?」

なんで?

ここに日本なの?

洋風なのに? 王様がいるのに?

富士山があるって光司さんが言っていたからほんとなのか……。


「僕はどうすればいいのでしょうか?」

「はい、そうですな! 勇者様にはこの世界の魔物を間引いて欲しいのですぞ! この世界の能力者は少ないのです。それを勇者様にはやっていただきたく思っています! はいっ」


魔王がいるわけではないのか。

でも魔物と戦うのはワクワクする!

「はい、頑張ってみます!」

「そう言ってもらえると思ってました! ではルーイ、ルーイは居るか?」



そう王様はしゃべると一人の鎧を着た騎士らしき人が現れ、王様に跪く。


「はいここにいます、王よ」

「おぉ、いたかルーイよ。勇者様を鍛えてほしいのだ。頼めるかね?」


「御心のままに」




これから陽炎の異世界生活が始まる。

これは神 光司と、勇者 陽炎。

二人で一つの物語になることだろう……。


==========

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