第12話

 昨日は更新できず申し訳ございません……!

 予約投稿してると思ってたのにできてませんでした……。


─────────────────────────────



「ん……ぁあ?」


 盗賊のアジトを壊滅させせ一週間後の朝。宿のオーナーさんが僕宛に何か来たらしく、早朝でまだ僕が寝ていたと言うのに叩き起こして来たのだ。お陰で朝からストレスが半端なかった。


 僕は渋々階段を降りてフロントまで行くことに。そして寝ぼけた目を懸命に動かして、目の前にいた人物を認識して驚きのあまり動きを止めてしまった。


 もしかして僕は本気で寝ぼけているのだろうか。



「──おはようございます、ご主人様」



 そこにはつい一週間前に別れたばかりのセレスがいた。







「……なんでここにいるのさ」


「それは、ザイン様がご提案なさったのです。今後サフェト様と共に行動しないか、と。あとこれはザイン様からの伝言なのですが、これで報酬はチャラね、だそうです」


「……ふざけるな」


「あ、もしふざけるな、とかそう言ったニュアンスの言葉をサフェト様が言った場合今度ノティス家にいらして貰えれば情報はきっちり渡すそうです」


「……」


 なんかムカつく……あの人僕で遊んでいないか?


「奴隷紋は?」


「それなのですが……」


 奴隷紋とは文字通り奴隷になった人につけられる証のようなもので、皮膚に特別な魔法を使うことでそれをつけることができる。


 その効果は奴隷紋と対となっている主人紋と呼ばれるものを持っている人の命令に背けないという、単純だが単純故にその効力というのは凄まじい。それこそ、背こうなんて気概が起きなくなるほどに。


 そんなものが無闇矢鱈に使われたら大変だろうと、当時魔法について学んでいた僕はそう思っていたのだが、どうやら奴隷紋は互いの了承を得てつけられるものらしく、奴隷に堕ちるほどの犯罪を犯したものには強制的に了承させる薬みたいなものがあるらしく、それを投与して犯罪奴隷を産ませているのだ。


 そしてその薬というのは普通だったら効果は出ないが、人を殺したりすると人の魔力は少しだけ変わるという特性を活かしたもので、人を殺していない者や、人殺しやそれに準ずる者しか殺したことのない者には効果がないらしい。


 なんともまぁ摩訶不思議なものだなぁ。


 ちなみにとある学者が提唱しているのが、魔力は人の感情によっていくらでも変色するというもので、犯罪を犯したという感情によって変色する魔力というのは一定であると唱えているのだとか。


 閑話休題。


 とにかくそんな訳だから、奴隷というのを従わせるには主人紋がないといけなく、奴隷紋をなくすためには主人紋を持った者が解除するしか方法がないはずだ。


「でもザイン様は奴隷紋を解除してくれました。どうやったかは知りませんけど」


「へぇ……それはなんともまぁ」


 恐ろしい話だ。


 もしそれが可能だとしたら、盗賊に捕らえられた奴隷を自分のものにできるということではないか。


 もしかすると、あの屋敷に働いている人たちはみんな──


「……」


 何か、ノティス家の裏の一端に触れたような気がするが、まぁ頭の片隅にでも残しておこう。あくまで可能性に過ぎないのだから。


 彼らとはこれからも良好な関係を続けたいからね。無闇に貴族と対峙してもいいことはないのだ。


「にしても……」


 この一週間ほどでこんなに人は変わるのかな。


「ノティス家にいる皆様から指導を受けまして。この一週間はサフェト様にお仕えする為だけに捧げてきました。と言っても一週間程度ですが……」


「一週間でそこまで成長するものなのかい?」


 この際だから素直に聞くとしよう。


 すると帰ってきたのは、虚無だった。


「……一週間で鍛えてくださいと言った私が馬鹿でした。すぐにサフェト様の元に行きたかったのですが、元々奴隷だった私では……無理でした」


 よほどきつかったのだろう、その目には何も写していなかった。


「それに一番つらかったのはルイナ様の存在です」


「ルイナ様?なんで?」


「あの方がいつも私のところに来るんです……そして──」





『……サフェトのとこに、行くの?なんで?』





「──って……その時のルイナ様の目と言ったら……私その日眠れませんでした」


「……よく分からないけど、ドンマイ」


 その後は彼女を慰める会に変わった。宿の朝ごはんを一緒に食べて、いろんな話を聞いた。


 病んでいるかと思っていたが、意外とそうでもなく。ていうか、奴隷になった経緯がありふれた借金によるものだった。売られた奴隷商もそこまで悪いところではなかったのだが、盗賊のアジトでの生活が酷かったらしい。


 だが囚われた時期が僕が来る三日前とからしく、その時点で既に数人は死んでいて、生き残っていたのはセレスともう一人だけだったようだ。


「……私はその人たちと、そして彼女の分までしっかり生きようと思ったんです」


「……なるほどね」


「なので、これからよろしくお願いしますね?」


「……」


 そう笑顔で言われると、僕は何も言い返せなくなってしまう。


 そのままなし崩し的にセレスが仲間になった。大変不本意だが。



─────────────────────────────────────


 “面白い!!”、“続きが読みたい!!”と思ったら是非この作品をフォローして、☆と♡、そしてコメントなどよろしくお願いします!!


 作者のモチベーションに繋がるのでっ!!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る