第9話 自衛隊

『ん、は』

目が覚めた時には知らないベットの上で寝ていた。


『どこだ?』

体を起こす

(ガシ、ガラガラ)

気づくと手が手錠でベットに固定されていた。



しばらくして軍服を着た人が何人か来た。


『君が佐藤くんだね。ちょと色々聞きたいことがあるんだ。協力してもらうよ』

そう言われて起きたばかりの僕を無理どこかへ連れて行った。



……どこかの密室……


『これをつけてもらうよ』

男の軍人が僕の頭にヘルメットをつけてきた。


『では始めようか』

目の前に一人の軍人が座ってきて言った。



そのあとは目の前に座る軍人がここ数日の僕の様子を事細かく聞いてきた。大半が未開拓領域についてだ。

念の為ホワイトについては出来るだけ隠して話した。



『ふむ、ま、ありがとう。大体わかった。終わりだ』


『はーそうですか』


軍人が思い出したように聞いてきた。

『そういえば君には魔物の少女を所有している噂があるが、本当かね?』

ヘルメットを外す直前に聞かれた。


『いや、いないね』

『……そうか』


その後は何もなく自衛隊ダンジョン全線基地から出た。




……帰り道……


わけがわからない自衛隊の連中が何をしたいのかさっぱりだ。


ダンジョン近くの街に入る門の目の前に着く。


『佐藤さん。こっちです』

門を抜けて少し経った後誰かの声がした。


『佐藤さん、早く早く』

声のした方を見ると。アキを未開拓領域で治療していた女性が路地裏から僕を手招きしているのが見えた。


僕は路地裏に入った。

『佐藤さん、ご無事でしたか。小林です』


小林さんは色々話してくれた。

どうやらアキと僕が穴を登っている時に僕が気絶して立ち往生してしまったらしい。その後に僕たちを心配して来た小林さんが助けようとしたそうだ。けど、すぐ近くに自衛隊が来ているのがわかって動けない僕を助けきれなかった。

そんな話をしながら路地裏を進んでいく。



何分かして少し大きな路地裏に入った。

木造の二階建ての建物で囲われていて道を通る人には見えない空間になっている。その隅に小さな小屋があった。


『少し待ていてください』

小林さんは小屋に入って行った。




『先輩ーー!!』

小屋から勢いよくアキが出てきた。


『ごめんなさいいーー!!!』

勢いそのままにアキが僕に飛びついてくる。


『ううう、先輩、生きてた。嬉しい』

アキが重くて潰れそうだ

『アキ……キツイ』


『アキさん!もう少し奥手でいてください!彼をあなたが殺しちゃいますよ!』

小林さんがアキを引っ張って剥がしてくれた。


剥がされてもアキは落ち着きがない。

『先輩だエヘヘへ』

剥がされてもアキはベッタリくっ付いてくる。


『ホワイトは?』

『え!?』

アキにホワイトはについて聞いた。


『えええ、先輩もう浮気ですか?ホワイトちゃんなら小屋の中で寝ていますよ』

『そうか』


『僕は家に帰るよ』

『だめです!先輩がまた自衛隊に取られちゃいます!』


『いや、でも僕はその人達に解放されたんだけど』

『うう』


『良いじゃないですか。佐藤さん帰らせて。もう私ホワイトさんの面倒見たくないですもん』

どうやら小林さんがホワイトの面倒を見ていたらしい。


『うう……わかったわよ。でも心配だから私も先輩の家いく!』

なぜかアキも僕の家にいくことになってしまった。



……帰宅……


『ふー帰ったーー』

アキが我が物顔で家に入り、ホワイトは勝手にテレビをつけている。

家に入ってものの数分でこれだとキツイ。


『ホワイト、体洗うぞ』

ホワイトをテレビから引っぺがした。

『いやいやいや!』

ホワイトは子供みたいに抵抗してくる。


『先輩何してるんですか?』

『何?て。ホワイトを洗うんだよ』


『なーんだ。そんなことですか。うーーん、ホワイトちゃん嫌がってるし、先輩、代わりに私を洗いません?』

アキはバカなのか?


『は!?アキふざけるならお前がホワイトを洗え!』

ホワイトをアキに押し付けそのまま風呂場まで行かせた。


『しょうがないですね。先輩、ま妻なら当然子供の面倒も見ないとですね』

変なことを言いながらもアキはホワイトと風呂に入ってくれた。


そのあとは3人分の夕食を作らされたりして大変だった。



……深夜……


ベットは一つしかないのでホワイトにあげた。大人のアキと僕は床に布を少し引いて寝ることにした。


床で寝るとアキが話しかけてきた。

『ねえ、先輩。これからどうします?』


『え、ああ、僕は元の通りダンジョンに入って生計を立てるよ。アキは未開拓領域でも行って有名にでもなりなよ』


『え、先輩、私ねもう探検家辞めようと思うの。だって、先輩と……』

(バン!)


家の窓が割れる音がした。

それと同時に複数人の走る音が家中に響いた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る