望の夜に分けし一時かんしょくを 

※もちのよに わけしひととき かんしょくを


「十五夜のお月様、きれいだね」

満月のおかげで、話題を気にせずに歩けるなあ。ありがとう、お月様。


「ね、まん丸で! あ、お月様見てたら丸いものが食べたくなっちゃった! ちょっと待ってて!」


君は、最寄りのコンビニに。


「はい、どうぞ。あんまん好き?」

「うん、好き。でも、いいの?」

「いいよ! せっかくの満月だからね。お月見して、おやつを分けよう!」

「ありがとう」


本当にありがとう、お月様。


「美味しいね!」


うん、確かに美味しいよ、これ。


僕も、しぜんに笑顔になれた気がする。


お月様と、思いがけないお月見のおやつと、触れた手の感触で。




※望の夜は、中秋の名月の夜のことです。


かんしょく、に間食、と 感触を掛けました。


一時の、おやつの分け合い。


偶然触れた、手。


満月の夜の嬉しい瞬間です。



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