年波の 彼方や否や 秋の蝉
季語は秋の蝉、季節は秋。
テーマとなる虫は秋に鳴くセミ、チッチゼミ(半翅目セミ科)。
なお、第一案では、下五は『ちっち
ただこの季語、秋になっても鳴いているツクツクボウシもしくはミンミンゼミを想定しているのではないだろうか。虫に興味と知識のない普通の人にとって、チッチゼミは対象外のような気もする。
チッチゼミは秋に鳴くセミと言われるが、実際には8月から鳴いているようである。ただ、『チッチッチッチッチッチッ』という高音の鳴き声のため、セミと思われていないことも少なくない。むしろ鳥の声だと思われているのではないだろうか。
それに加え、高音のため老化すると聞こえなくなる。老化と言っても、筆者は四十台半ばごろで聞こえなくなった。
このチッチゼミ、西日本では三重・島根・高知などいくつかの県のレッドデータブックで絶滅のおそれのある種として選定されている。
つまり我々環境調査員としては優先して探さなければいけない種なのであるが、鳴き声が聞こえなくなると難易度が急上昇する。
鳴いているけど年のせいで聞こえないのか。
そもそも鳴いていないから聞こえないのか。
仕方がないので、高い木の上にいるかもしれないチッチゼミを求めて、もともと体力はなかったが、年波のせいかさらに体力の落ち始めた筆者は、息を切らせながら山を登るのであった。
まあ、若い人にお任せ(丸投げともいう)するという手もあるが。
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