第18話 墓所


 モニカと別れてギルドに向かう。

 さてここではどれくらい引き取ってくれるかのぉ?

 ギルドに入ると受付嬢がリズミカルに「

お待たせしました」と言い胸を寄せているがワシは見とらんぞ?

「素材を売りたいんじゃが、いくらまで出せるかのぉ」

「えーと。いくらまででも出せると思いますけど」

「んじゃ買い取ってもらおうかね」

「こっ。こっちに出してください」

 カゴはすぐにいっぱいになり、また次のカゴが用意されるストップされたのは金貨10000枚でストップじゃった。

 まだこれの倍はあるんじゃがのう。

「こりゃ行く先々で売っていかないと間に合わんのう」

 受付嬢も大変な様で金貨10000枚を持って来たのでアイテムボックスに入れる。

「あ。ありがとうございましたぁ」

「またくるぞい!」

 たまには甘いものでもとケーキを買ってもって帰る。

「おー。ヤオキも、たまには気を使うじゃないか!」

「まぁの」

 メルルはルンルンでコーヒーを淹れてケーキを選んでおる。ワシは定番のイチゴのショートケーキじゃ。

「んー!久しぶりに甘いものを食べたよ」

「うまいもんじゃな」

 ブラックには甘いものがよく合う。


 そんなこんなで一か月が経つ。まだ完成には至ってないらしい。どんな刀が手に入るかたのしみなところじゃ。


 ワシは土いじりをして、遊んでおる。まぁ、そのうち綺麗な花が咲くじゃろ。

「ヨシキ。コーヒーを頼むさね」

「あいよ」

 自分にクリーンをかけて腰には夜桜を、いつもの出立ちじゃ。

 さてさっさと行ってくるかね。


 と思ったらまた警報が発令しておる。

 しょうがないので待つがのぅ。

 警報が解かれたと同時に走り出す。

「よお、ヤオキ」

「待つのもしんどいもんじゃのう」

「そうか?砂漠の時間はながいからな」

「そうじゃったかの?まぁ、ええわい」

 のんびりしてるってことが言いたかったのかもな。

 ゴタ爺のところで暇つぶしに話し相手になってもらう。

「よぉ。ゴタ爺」

「よぉ、ヤオキ」

「いつものやつじゃ」

「はいよ」

「ゴタ爺、こっから南は何がある」

 ゴタ爺の話によると南に向けて密林が広がっているそうじゃ。砂漠じゃないんだな。

 ジャングルになっており、スコールが酷い時もあるらしい。あまりそそられないなぁ。ジャングルを抜けるとわからないと言われた。

 そろそろ二か月になる、まだできたと言う返事は来ていない。土いじりをしてると100パーの確率でお使いに行かされる。何かないもんかと思っているとダンジョンがあると言う話を聞いて南の街からもう少し南にある遺跡に行く事にした。

 ビックイーター発令後に行くこととなるので少し待つとビックイーター警報が発令されたので飛び出した。

 もう少しで遺跡というところでビックイーターが立ち塞がるが、空中に飛んで難なく躱わすと遺跡に辿り着く。

 この中がダンジョンになっているのかと入り口を探すと通路の様な入り口があったのでそこから中に入るとモンスターだらけだった!

「こりゃたまらんぞ」

 夜桜を、振り回し掴んで蹴ってとしているとようやく少し減ったからモンスターを、斬って斬ってまた斬って、ドロップの回収も忘れない。

「はぁはぁはぁ、何じゃこの遺跡は?」

 人型が多い、ミイラにゾンビがウヨウヨしている。

一層目からこんだけいるとは攻略にどんだけかかるかだな!早めに終わらせたいところだが。

「こんなに多くちゃワシも疲れるぞ」


 なんとか一層をあらかた片付けて二層目があったので降りて行く。

 二層目からはすくなくなっていたので、一層目が、酷かっただけの様だ。だが強さが段違いになっている。二階層のモンスターはワニのミイラやサメのミイラが出てくる。

 倒せなくはないが倒しにくいな。

「『ファイヤーランス』」

「炎系に弱い様じゃな」

 魔法を駆使して戦って行くと宝箱を発見した。一応罠がないか確認したが無いようじゃったので開けると、シルバーのリングが入っておった鑑定してもろてからじゃなとアイテムボックスに入れておく。

 それからも二層目をくまなく探索してから三層目に入る。壁画の様なものが目立つがこれは遺産的にはどうなんじゃろ?

 何か昔の王的な人の墓所なのかもしれんぞ?そんなところがダンジョンになってしまってかわいそうに。

 三層は比較的でかいのしか出てこないゾウのミイラやバッファローのミイラ、二層目に比べると動きが遅い分パワーがあるので侮れないがスピードで優っているので安心である。

 簡単に話しておるがここまでで二週間は経っている。

 四層目は大量の兵士のゾンビだったと言うことでここが墓所である可能性が近いのである。ここを攻略して無くせば多少なりとも供養になるのではなかろうかと考えた。

 というわけで様子見は終わりじゃ!ワシの持てる全てを持って攻略してやろうぞ!

意外に深くもう50層目じゃ、やっと扉が現れたのでここで終わりであることを願う。

“ギイィィィィ”

 火の玉が飛んでいるそして真ん中にはゾンビリッチか!

 大量のゾンビを召喚してくるが所詮ゾンビである、燃やして終えばいいだけじゃ!

 魔力が尽きたのかゾンビは現れなくなった!

 あとはゾンビリッチだけだと思ったら最後にビックイーターのリッチが出てきた。だが火に弱いのがわかっているので、

「『インフェルノ』」

 でリッチもろとも炎に焼かれて倒れた。

最後にドロップしたのは青く輝く宝石と鈍く虹色に光る玉だった。アイテムボックスに入れるとオーブに手を置き平穏をと願った。そして外に出ると一年が経とうとしてた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る