アップルパイの香り

アップルパイの香り

アップルパイの香りがした。昔、母さんがよく作ってくれたものだ。

子供「わぁ！今日はアップルパイなんだね！やったぁ！」

母親「はいはい、ちょっと待ちなさいな。アップルパイは逃げないよ。」

何気ない会話。でも一生の宝物となる記憶。

初めて自分でアップルパイを作ってみた。

それは砂糖と塩を間違えていて、真っ黒に焦げていて…とてもじゃないが美味しいとは言えなかった。

母さんはこれを毎日、作ってくれていたんだなぁ。

あの記憶は、いまの自分にとっても宝物だ。

母の仏壇を前に拝み、いつもありがとう。行ってきます。そういって、私は仕事へと出掛けた。