もちなべ歌壇

餅 鍋人

【秋】秋の幕開けにふさわしい歌でも

 いや、まだまだ暑いっす。今日は部活の日で、ホールでみっちり数時間歌会をしていましたが普通にガンガンクーラーつけてました。異常気象?

 それはさておき、明日から十月ということで取り急ぎ作った秋の短歌を三つ紹介します。何卒。


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 【一首目】君の撮る月と目が合う、あゝ誰を連れ去り満ちるつもりなのかと


 完璧な満月ではなく、その前の少し欠けた月。そして「君」はまるで取り憑かれたようにそれを撮影しています。自分ではなく月ばかりを見る君に対する物足りなさと少し欠けている月は似ている。しかし月はその光で人を魅了し、更には君を連れ去り、満ち足りようとしているかのように思える。

 とまあ、解説はこんな感じです。

 ちなみに次の中秋の名月の満月は7年後だとか。


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 【二首目】銀杏を抱きかかえては「しあわせになって」と散らす青年α


 道に銀杏の落ち葉がどっさり溜まってるのを想像してください。あれを腕いっぱいに掬って抱えるんです。想像するだけで幸せな気分(……だよね)。しかし、ここでの「しあわせになって」とは他人を祝福する言葉。他人を祝うために自分の幸福を分け与える。手放す。青年に名前という名前が与えられてないのも、どこか切なさを感じます。


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 【三首目】星から受信する明滅のために夜長は透化などを始めて


 がっつり破調です。失礼。

 星は大小さまざま、見えるものから見えないものまで。いちばん星の美しさに気がつけるのは冬。その季節に備え、秋の夜空はゆっくり澄み渡る。

 あとは、「受信」という言葉は自分でも気に入ってます。機械的な言葉を自然に重ねてみるのが好きなので。


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 いかがでしたか?気に入っていただければ幸いです。それではまた別の機会に。

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