第4話 過去問

 東田、安井、筒井は、崇のアパートを後にした。

時間は午後9時を回っていた。

部屋にもどるなりエイリアンが「山田!夜食はどうする?」と聞いてきたので、流石にキレて、

「お前な!一人でお好み焼き人の3倍も食べて!

俺がどんだけ大食いと思われたことか?居候なんだから少しは遠慮しろ!」と言い放った。

エイリアンは「まあ、そう怒るな、だいぶ話が弾んだようじゃないか?演劇とやらは、そんなに楽しいのか?」と聞くと崇は、「まあ、友達作るのも悪くないな、仲間って奴か?少しウサが晴れたよ、さあ、勉強してくれよエイリアンさん!」そう言って崇は、食事の後片付けを始めた。

台所で洗い物をしていると、エイリアンが、「なあ、〝吾輩は猫である〟の作者は誰だ?」と聞いてきたので、「夏目漱石だよ、なんか関係あるのか?」と返すとエイリアンは、「過去問で出てるんだよ」と答えた。

崇は驚いて「それが過去問⁉︎なんなんだ〝上級管理官〟ってのは?」と聞いた。

エイリアンは「あらゆる星の歴史や論文が出るんだよ、楽なテストじゃない」そう言って寝転んでしまった。

崇は、「お前も大変だな〜ところで〝大宇宙教則本〟を見せてくれ!変化あるかもしれないから」と近づいてきた。

エイリアンは、渋々ページを開くと


山田崇 2024年3月29日死亡 その一週間後に発見


と書き変わっていた。

エイリアンは、「おっかしいな〜簡単に変わるはずはないんだが‥」と首をかしげている。

崇は、「よっしゃ!希望が見えた!」と拳を握った。

エイリアンはかすかに、微笑んだようにも見えた。


そんな時チャイムが鳴る。

崇は、「誰だこんな遅くに?」と玄関を開けると

巨体の女性 崇の母 山田鈴やまだすずであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る