第21話 反旗㉑

「…それはつまり私のことを脅しているということでいいのかな?」


「脅しているわけではありません。ただ事実とそれに基づく未来の予想を話しただけです」


「そうか…わかった。…今回の反乱に参加するという件については前向きに考えさせていただこう」


「本当ですか!」


「あぁ、まだ確定ではないがな」


アイリス公爵家の前向きな返事にガッツポーズを決めそうになったその時、指令室にうちの領の私兵が焦ったようです入ってくる。


「今、取り込み中なのだが?」


「すいません、、、帝都防衛隊がイズミル北東部で確認されました!」


「…わかった。ガイム様、少し仕事が入ってしまったようですので席を外させてもらいます」


「あぁ、頑張ってくれ」


俺はガイム様にそう告げると指令室に入ってきた兵士とともにヘリまで向かい、乗り込む。俺が乗り込んだことを確認するとヘリは上昇を始める。


「それで敵の部隊規模は?」


「帝都防衛隊の本隊とそれに属している3大隊、第23歩兵連隊、そして第6歩兵師団の規模です」


「第6歩兵師団か…こちらの陸軍師団は?」


「すでに第3歩兵師団と第8機械化歩兵師団がそれに対するように展開をしています。同時に第4歩兵師団は後方にて待機しています」


「わかった。まだ戦闘は始まっていないんだよな?」


「はい。現状はどちらもにらみ合っているだけです」


「私兵たちは今回のところに集合させずにそれ以外の他領の境界で巡回させておいてくれ」


「了解です」


そう現状を整理している間にもだんだんと敵が布陣しているであろうところが見えてくる。上空から見た限りだと敵の部隊にも戦車や装甲車は少数あるみたいだが機械化歩兵師団を有するわが軍の脅威にはなりえないだろう。


それを眺めている間にもだんだんと地面が近づいてくる。


俺はヘリから降りるとそのまま臨時の指令室として作られたテントに入る。中にいた隊員たちはこちらを見ると敬礼してから自分たちの作業に戻っていく。


指令室の中心にはカースがいて師団の指揮を執っていた。


「カース、どんな状況になっている?」


「エミルか。今はどちらもにらみ合いの状態だ。何も起きてない」


「…今回は敵に攻めさせるような陣形にしてくれ」


「なぜだ?この戦力であったら正面から叩き潰すこともできるが?」


「なるべき被害を抑えたい。最前に張る部隊は3大隊だけにしてくれ。残りの部隊はその部隊を中心とするように半円状に配置する」


「わかった。機械化歩兵師団はどうする?」


「彼らは敵の歩兵戦闘車にぶつけてくれ」


「了解だ」

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