第30話 クールとは一体なんなのか

ー数時間後の学校にてー

「こうにぃ」

氷華に声をかけられた。

「なんだよ」

「ちょっとこっち来て」

「おいちょ...」

手を引っ張られてある場所に連れて行かれた。


「校舎裏って....俺今から告られんの?」

俺は冗談まじりにそんなことを言うと、

「んなわけない」

と冷たく返されてしまった。

「.....そういえば」

俺は気まずすぎて、無理やり話題を変える。

「氷華も出るんだっけ?」

「能力祭にってこと?それなら出るよ」

「だよなぁ....」

俺を除けば、この学園で1番強いのって氷華だもんなぁ....。

「で?なんでこんなことろまで俺を連れてきた?校舎裏ってことは、人から聞かれちゃ、まずい話なんだろ?」

「いや、全然」

いや、なんやねん。じゃあ、教室でよかっただろ。俺の苦労を返せや。

「.....はぁ...。で?何よ。話って」

「その...こうにぃって魔法で、氷魔法とかって使えるの?」

「そりゃ、当たり前だろ。この前だって"ブリザード・アクス"を見せただろ。まぁ、上級氷魔法は使えんけどな」

「なら見せて」

「ええ...あとでいいk」

「だめ。今見せて」

「.....ええ...」

校舎裏ってそういう....。

「ったく...しゃーねぇなぁ....」


それから、5種類ぐらいの魔法を見せた。もちろん氷魔法だ。


「これぐらいでいいか?」

「うん!めっちゃすごい!どううやったらあんなに大量の氷魔法なんて覚えたの⁉︎是非ともコツを教えて欲しいんだけど。どんな練習をして、どんな努力をしたの⁉︎ねぇ⁉︎」

「ちょちょちょ....」

差よ。熱の差よ。さっきまで冷え切ってたじゃん。なんで急にグイグイとくるんだよ。早口すぎて聞き取れなかったし.....。

「ねぇねぇ‼︎」

「だから待てって‼︎‼︎」


それから、本鈴がなりそうだったので、教室に戻ろうとしたのだが....


「だめ。逃がさない」

「は?」

その瞬間、俺は無限に凍らされた。

抜け出しても抜け出しても、無限に凍らしてくる。

そんなことに体力を使うなよ!!勉強に体力を使えや!!!!!


そんなこんなで、俺らは授業をサボってしまったのだった(不本意)。


「康輔どうしたんだ?授業には毎日毎日欠かさず来ていたお前が。授業中に内職しているお前が授業をサボるなんて何があったんだ」

.....内職していることバレてたのかよ....。

怒られたことがあるのは、古文の先生だけなのに....。

チクリやがったなあの野郎....。


その後、氷華のことを言って、出席を取ろうとしたら、氷華に口を凍らされたので、諦める俺だった。

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